『新・観光立国論』が6万部のベストセラーとなり、山本七平賞も受賞したデービッド・アトキンソン氏。

安倍晋三首相肝いりの「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」委員や「日本政府観光局」特別顧問としても活躍している彼が、渾身のデータ分析と現場での実践とを基に著した『世界一訪れたい日本のつくりかた』が刊行された。

本連載では、訪日観光客が2400万人を超え、新たなフェーズに入りつつある日本の観光をさらに発展させ、「本当の観光大国」の仲間入りを果たすために必要な取り組みをご紹介していく。

前回(「外国人よ、嫌なら来るな」は無責任な暴論だ)、日本の観光を考えるうえで、「日本のやり方が気に入らないなら外国人は来るな」という主張は、日本の現実を見据えていない感情論にすぎないことを指摘させていただきました。

ただ、コメント欄を見てみると、一部納得していない方がいらっしゃるようです。しかし、さまざまな社会問題を起こしている経済の低迷から脱却するためには、「観光の産業化」は不可欠です。

そこで今回は、「日本のやり方に従わない外国人は来るな」ではなく、「どうすれば外国人が来てくれるか」という発想へ転換すれば、いかに明るい未来が待っているのかをお話ししたいと思います。

さて、これまでホテル(外国人が心底失望する「日本のホテル事情」)や旅館(外国人が心底ガッカリする「日本の旅館事情」)の改善点を指摘させていただきましたが、日本の観光がまったく改善していないというわけではありません。2015年に出した『新・観光立国論』のなかで指摘した「多言語対応」や「外国人向け観光ガイド」などは、この2年でかなり進んでいます。

それを示すのが、2年に1度のペースでWorld Economic Forumが発表している、世界各国の「観光産業国際競争力」のランキングです。

このランキングでは、日本は2009年に第25位というポジションでしたが、2017年の最新のランキングではなんと第4位まであがっているのです。しかも、そこでは「この2年、世界で最も改善している」という評価も受けています。

ただし、もちろんそれで浮かれていてはいけません