原油相場が反発の兆しを見せ始めている。NY原油先物(期近物)の価格は1バレル=49ドル前後まで上昇した。6月後半には42ドル台にまで下落するなど、極めて軟調な動きだったが、急速に値を戻した背景は主に2つある。1つはOPEC加盟国による追加的な供給削減策への思惑、もう1つは米国のシェールオイル増産ペースへの疑念がある。

減産で足並みそろえる石油産油国

前者に関しては、OPEC加盟国と非加盟の主要産油国が足並みをそろえていることにある。すなわち、7月24日にロシアのサンクトペテルブルクでは、減産合意の順守状況を監視する共同閣僚級監視委員会(JMMC)会合を開催、減産合意の適用を免除されているナイジェリアの産油量に上限を設けることで合意。それとともに、一部の産油国に対し減産合意の一段と厳格な順守を求めたことがポイントである。

OPEC加盟・非加盟国は2017年1月から2018年3月末まで産油量を合計で日量180万バレル削減することで合意したが、ナイジェリアとリビアは内戦などの事情を抱えていたことから、減産合意の適用を免除されていた。実際、この歴史的な協調減産により、WTI原油は今年1月には58ドルを上回る水準を回復した。だが、世界的な原油在庫の縮小に時間がかかったことに加え、米国産シェールオイルの増産、ナイジェリアとリビアの増産などにより、原油価格は50ドル以下で低迷していた。

このような状況の中で開催された今回の会合では、ナイジェリアが産油量を現在の日量約180万バレルから増加させないことに加え、将来的に減産を行うことで合意した。ただし、期限は設けずにナイジェリアの産油状況を向こう数週間見守るとした。

一方、監視委員会はリビアについては、産油量の制限は見送った。リビアの産油量は当面は日量100万バレルを超えず、2011年の内戦勃発前の生産能力である日量140万〜160万バレルを回復する公算は小さいためとしている。リビアについては仕方がない部分もあるが、これまで原油相場の上値を抑えていたナイジェリアの増産に関して一定の歯止めをかける姿勢が示された点は、大きな意義があるといえる。