この小型株主導に転じた背景には、内外長期投資家(特に海外年金)が、小型株に買いをシフトしている、という点がある。その理由は、主に下記の3つだと考える。

1)企業業績の変化、それによる株価の変化という点では、大型株より小型株の方が、変化率が大きいと期待できる(いわゆる「大化け」の可能性)。

2)国際的な大企業は、世界経済全体の変動を免れることが難しい。一方小型の企業は、独自の製品やサービスに特化している場合が多く、世界経済全体の浮沈とはあまり関係なく業績が推移しやすい。したがって、大企業にこれまで資金を振り向けてきた海外年金が、小型株も組み入れることで、リスク分散を図ろうとしている。

3)インデックスファンドに資金を移す個人投資家の動きや、機関投資家のインデックス運用の普及などが進んでいる。たとえばTOPIX連動型でインデックス運用する場合、TOPIX採用銘柄(すなわち東証1部上場銘柄)をすべて売買することは非現実的なので、時価総額が大きい銘柄(=大型株)を中心に売り買いすることとなる。

このため、投資家がインデックス運用を増額する場合は、大型株は、業績が悪かろうと一律に買い上げられ、小型株は業績が良くても放置されがちとなる。したがって、業績が悪いが買われてしまった大型株を売り、業績が良くても放置された小型株に買いを入れるという、投資戦略に、チャンスが訪れている。

個別現物株を「丹念」「長期的」に買う投資家が優位に

結局、前掲の2つの現象は、「日本株を全体観で売りか買いか考え、それを日経平均先物の売買や、大型の代表的な企業の売買で実行する」というやり方が後退し、個々の企業を小型株も含めてつぶさに調べ、個別現物株を丹念に長期的に買い上げていく、という投資家の動きが、徐々に優勢になっていることを示しているのだろう。

足元では、日経平均先物売りが株価全般の頭を押さえているが、短期筋は反対売買で先物を買い戻さなければ、利益が出ない。しかし、現在個別銘柄をコツコツと買っている内外長期筋は、現物を長く保有する。さらに、個別企業の実態に沿った買いを支える材料として、今週も4〜6月の企業決算発表が残っている。このため、短期投機筋による株価圧迫を、長期筋による個別銘柄の株価下支えが、徐々に上回っていくだろう。

まだ今週当初は、上値が抑えられることもあるだろうが、先週末の米雇用統計の堅調さもあって、次第に世界景気回復による内外株価の上昇予想に賭ける向きも増えるだろう。今週の日経平均株価は、1万9950〜2万0300円を予想する。