読者の皆さんのなかには、こんな不満を持っている人はいませんか。典型的なのは、50代60代の既婚女性でしょうか。「忙しいダンナに代わって私が、義父母(夫の両親)の亡くなる前の晩年、何から何まで面倒を見てきた。なのに、いざ亡くなったら『夫にも兄弟姉妹がいるから』といって、相続はみな平等。それっておかしい!」。

このように、舅(しゅうと)や姑(しゅうとめ)の世話をしてきたのに、結局は夫(妻)が、兄弟と平等に相続なんて納得できない。そんな悲痛な声を聞くことは少なくありません。

実は、民法では、このように「特別に故人に貢献した人」に相続を手厚くする「寄与分」を認めているのをご存じですか。どんなものなのか、早速みていきましょう。

介護や看護などの努力に報いる「寄与分」とは?

冒頭では、一生懸命舅や姑の世話をしてきた奥さんの話をしましたが、夫の立場では、こうなりますね。「嫁の力を借りて、われわれ夫婦が父の介護をしてきた。だから、兄弟よりも多めに相続する権利があるのでは?」。そんなふうに思うのも、理解できますよね。

相続では「法定相続人」「法定相続分」として、誰が相続するか(相続する権利があるか)、どんな割合で相続するかという取り決めがあります。

たとえば父、子ども3人の家族(母は他界)で父が亡くなった場合、法定相続人は3人の子どもとなり、法定相続分に則って分けるなら子どもそれぞれ3分の1ずつ相続することになります。

とはいえ、どれだけ親の生活を支えたかは子どもによって異なり、等分に分けたのでは報われない、と思う人もいるでしょう。そこで民法で定められているのが、「寄与分」なのです。具体的には、どういうことでしょうか。