国産太陽光パネルは、輝きを取り戻せるか――。

電子部品大手の京セラが自社製太陽光パネルを使った新たな発電事業に参入する。一般住宅の屋根を借りて太陽光発電を行い、そこで作った電力を一般消費者向けに販売する。

関西電力と新会社「京セラ関電エナジー合同会社」(京セラ:51%、関電:49%)を4月1日に設立した。小売電気事業者として経済産業省に登録し、今秋のサービス開始を目指す。当初は関東と中部でサービスを始め、今後関西での展開も準備する。「5年間で4万棟の契約を獲得したい」(京セラ・小谷野俊秀ソーラーエネルギー事業本部副本部長)と意気込んでいる。

消費者には「費用負担なし」をアピール

事業モデルは次の通りだ。新築の戸建て住宅の屋根に新会社の負担で太陽光パネルを設置する。作った電力は原則として契約した消費者向けに販売。余った場合は、固定価格買い取り制度(FIT)の下で販売する。夜間など太陽光パネルが発電できない時間帯も、関西電力グループの電力を新会社が顧客に供給する。これらで得られる電力販売収入でパネル設置費用などを回収して利益を出していく。

京セラにとっては、自らが小売電気事業者となることで、自社製太陽光パネルを収益につなげることができる。これまでのようにパネルの販売のみに頼らないビジネスモデルを構築し、不採算事業だった太陽光事業の収益化を目指す。

一方、消費者が京セラ関電エナジー社と契約するメリットは、通常100万〜200万円かかる太陽光パネルの設置費用なしに、太陽光発電を導入できることだ。消費者向けの電気料金はまだ公表されていないが、「お客様に魅力を感じていただける料金にする」(関西電力・岩根茂樹社長)という。

設置後10年間は新会社が太陽光発電システムを所有し、メンテナンスは費用を含めて面倒を見る。その後、システムは住宅所有者に無償譲渡される。

こうした「導入時の負担なし」での太陽光発電事業は、東京電力の子会社がLIXILグループと組んで始めているほか、中部電力も2月から企業向け事業をスタートさせている。電力会社としての狙いは、電力自由化での顧客確保、LIXILの建材事業のような主力事業との相乗効果にある。