華々しく幕開けした令和新時代の初の国政選挙は、7月に予定される参院選となる見通しだ。政界では衆院選との同日選説もささやかれるが、昨年秋の自民党総裁選で3選を果たした安倍晋三首相にとって、夏の政治決戦が史上最長政権に向けた大きな政治的関門となるのは間違いない。

衆参両院での圧倒的多数で1強政権を維持する自民・公明両党にとって、参院選の勝敗ラインは改選過半数の63議席とされる。自民党単独で60議席を上回るような圧勝なら首相4選論にもつながる一方、50議席を割り込めば首相の責任論が浮上するとみられている。

安倍首相にとっては12年前のリベンジ

今回の参院選で改選となるのは、選挙区74、比例代表50の計124議席。「1票の格差」是正を理由とした昨年7月の参院定数6増(選挙区2、比例4)を柱とする改正公選法成立に伴うもので、参院の総定数は、今回と3年後の選挙で選挙区148、比例代表100の計248議席となる。 

参院定数増は1970年の法改正以来で、2000年に242議席にまで減った総定数が、2022年には創設時の250議席に迫ることになる。また、6増に合わせて、あらかじめ政党が決めた順位にしたがって比例代表の当選者を決められる「特定枠」も導入され、制度的な問題点と各党の対応も注目されている。

参院選が単独で実施される場合は、「政権選択選挙」と呼ばれる衆院選と違って、「政権の中間評価」の意味合いが大きくなる。ただ、過去の参院選では自民党の敗北が首相退陣につながったケースも多く、今年と同じ「亥年選挙」だった12年前の第1次安倍政権下の参院選では、自民が37議席という歴史的惨敗を喫して結党以来初の参院第2党に転落、首相は1カ月半後に退陣表明した。それだけに首相は今回、「12年前のリベンジに向けて、あらゆる戦略を駆使して勝利をもぎ取る決意」(側近)とされる。

そこで注目されるのが、首相にとっての勝敗ラインだ。第2次安倍政権での衆参選挙は今回で5度目(衆2参3)となるが、首相は一貫して「与党で過半数」を勝敗ラインとしてきた。「有権者が与党に過半数の議席を与えれば、政権は支持されたことになる」(首相経験者)という理由からだ。ただ、与野党の勢力が伯仲している場合はそれも成り立つが、与党が圧倒的多数を確保している現状では、「議席の増減幅の大小が、政権にとっての勝敗の判断基準となる」(自民長老)のが政界の常識とされる。