VWグループメディアナイトを前に、VWでe-モビリティ担当する取締役のトーマス・ウルブリッヒ氏は「ID.3を生産する(ツヴィッカウ工場/ヴォルフスブルク)の転換作業は完全にスケジュールどおりに進んでいます」とし、続けて「ID.3の生産が、2019年11月からツヴィッカウ工場でフル稼働体制での生産が開始されます。すでに現在、最後の生産ロボットが設置され、組み立てラインの試運転も同時に行われています」と語った。

気になるのが完成している400台のID.3だ。これについてウルブリッヒ氏は「完成している400台のID.3先行生産車は、すでにヨーロッパ各地で試験走行を実施しています。ID.3の本格的な生産が開始される11月から、VWのまったく新しい時代が到来することになります。これは、初代ビートルや初代ゴルフと同じくらい大きな節目となるでしょう」と説明する。

欧州最大級の電気自動車工場

ID.3の本格的な生産に向け、VWはID.3の組み立てを行うツヴィッカウ工場の目的を100%内燃エンジンから100%電気自動車へと段階的に、かつ大きく方針を転換している。電気自動車生産への切り替えは2018年初頭から開始していて、2020年末までには完了する予定だ。

生産台数については、工場敷地内に建設が予定されている合計12棟の新しい建物などにより段階的に引き上げられる。また、こうした設備投資により2021年からMEB車両の主要なボディパーツはすべてツヴィッカウ工場で製造できるようになるという。

VWグループメディアナイトに登壇したVWAG会長のヘルベルト・ディース氏(筆者撮影)

ツヴィッカウ工場の2番目にあたる組み立てラインでは2020年の夏からBEVに向けた転換作業を開始し、2020年中に稼働を開始。最終的には2021年から3つのグループブランドの6車種のMEBをベースにした新型BEVが、このツヴィッカウ工場で生産される予定だ。

同工場の生産能力は、BEVへの転換が図られたことで現在の年間30万台から33万台に引き上げられ、欧州最大級の電気自動車工場となる。これまでにVWはツヴィッカウ工場の転換に、約12億ユーロを投資した。ツヴィッカウ工場ではBEV生産に向け、1600台を超える最新世代の生産ロボットを新たに設置した。最終組み立てラインではルーフライナーの自動設置装置など新しい技術が採用されている。

この先ツヴィッカウ工場は自動化の割合を増加させ、最終的には1日の生産台数を現在の1350台から1500台へと約150台増やす予定。また、工場の自動化は進めるものの、大規模なリストラは行わず合計8000人の従業員数はほぼ据え置かれる。