日用品大手のユニ・チャームは10月17日、使用済み紙おむつのリサイクル技術を確立したと発表した。2021年度以降の商品化を目指す。

同社は2016年から鹿児島県志布志市と共同で、使用済み紙おむつをリサイクルする実証実験を続けていた。志布志市はリサイクルに積極的で、ごみを27に分類し、再資源化を進めている。

ユニ・チャームは今年10月には使用済み紙おむつリサイクル事業を担うリサイクル事業準備室を設置。今後は使用済み紙おむつをリサイクルして紙おむつとして商品化することや、トイレットペーパーやメモ用紙などにリサイクルすることを目指す。

大人用紙おむつが自治体の負担に

紙おむつ市場は、少子高齢化を背景に子ども用の需要が減る一方、大人用紙の市場が拡大。調査会社インテージによると、子ども用紙おむつの2018年度市場規模が前年度比5%減の643億円だったのに対し、大人用紙おむつは同4%増の933億円だった。

使用済み紙おむつは水分量が多いため燃えづらく、焼却炉を傷めやすい。二酸化炭素排出量も増加することで、環境負荷がかかるため、自治体の負担が年々増していた。

ユニ・チャームは大人用、子ども用ともに紙おむつでは国内シェアトップを走る(イギリスの調査会社・ユーロモニター調べ)。決算も好調に推移しており、2018年度(国際会計基準)は売上高6882億円(前期比7.3%増)、純利益613億円(同16.3%増)と過去最高益を更新した。

トップ企業であるだけに、環境への配慮も求められる。国連では2016年から2030年までの国際目標として国連が2030年までの目標としている17の「持続可能な開発目標」(SDGs)のうち、ユニ・チャームは気候変動への対策などに取り組む。今回の使用済み紙おむつリサイクル事業もその一環だ。

工学博士で東京理科大学客員教授、ユニ・チャームCSR本部の宮澤清参与は「特に大人用紙おむつは高齢者の排泄ケアに貢献し、社会的存在意義がある。ただ、一般ごみに占める割合も大きく、紙おむつメーカーとしてモノを作って売るだけではなく、売った後も考える必要がある」と話す。