海のプラスチックごみの問題が世界的な政治課題となり、各国が対応策を表明する中、ビジネス界ではプラスチックごみを回収し、もとのプラスチック製品に戻す新たな動きが出てきた。アメリカ企業の日本法人が試行的な取り組みを発表する一方で、日本には地道な実践を重ねてきた企業もある。循環型社会を目指す新たな潮流は日本に根付くだろうか。

「P&G」日本法人の挑戦

世界最大の日用品メーカー「プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)」(本社・アメリカ・オハイオ州)の日本法人は11月6日、日本国内の海岸で回収したペットボトルを原料の一部に使った容器に入れた台所用洗剤を売り出す、と発表した。

東京・中央区京橋の日本法人東京オフィスで行われた記者会見では、台所用洗剤ブランド「ジョイ」の新製品「JOY Ocean Plastic」が紹介された。ボトルの原料として、長崎県の海岸で回収したプラスチックごみの中のペットボトル約20万本(約6トン)を使い、再生して、約55万本のボトルを作ったという。「ジョイ」は食洗器用を除く手洗い用だけでも10種類以上あり、日本での販売量は公表されてない。新製品の中身は手洗い用の1種類で、約55万本は市場に約1〜2カ月間出回る量という。11日以降、イオン、スギ薬局など趣旨に賛同する44社の店舗に並ぶ予定だ。

新製品のボトルは、従来製品に比べ、やや茶色がかっている(撮影:河野博子)

現段階では、約55万本を売り切った後については白紙。消費者の反応や売れ行きを見ての「試行」といえる。P&Gジャパンのスタニスラブ・ベセラ社長は、「捨てるのではなく、適切に再利用していけばプラスチックは重要な資源になる」と強調した。

新製品のボトルの原料となったのは、リサイクル専門の「テラサイクルジャパン合同会社」の協力により、ボランティアが長崎県の海岸で集めたプラスチックごみ。この中からペットボトルを回収し、テラサイクルの提携工場で分別、粉砕して細かいフレークにした後、これをさらに洗浄、熱で溶かしてペレットへ。その後、P&Gジャパンの提携工場でペレットを溶解し、ボトルを成型した。