9月にドイツにおいて「フランクフルトモーターショー」が、そして10月下旬からは「東京モーターショー」がそれぞれ開催された。いずれも世界的なモーターショーとして名高く、そして歴史あるモーターショーとして認知されている。

しかし近年、モーターショーの役割は変化した。過去の「目にしたことのない実車を見るショー」から、自動車メーカーが発信する「メッセージを確認するためのショー」へと変貌したように思う。

そうした中、東京モーターショーを主催する一般社団法人・日本自動車工業会(JAMA)では、会場に足を運ばれる入場者の数にこだわった。第46回東京モータショーでは100万人の入場者を目標としていたが、話題性の高い出展内容や新たな試み(高校生以下無料など)に加え、入場券を社員へ配布した関連企業も多く、最終的には130万0900人を記録した。果たして多いのか、少ないのか……。筆者の視点は入場者数ではなく情報がどれだけ広範囲に行き渡ったのか、すなわち周知にある。

ネット社会となり今や誰もが動画配信を行える。事実、来場者の多くがスマートフォンなどで動画や記事を配信していた。よって、会場に訪れなくとも現場の熱気を多くの人々が感じられるようになったことから、周知という意味では来場者数200万人以上を記録した第29回東京モーターショー(1991年)以上の効果があったと考える。いずれにしろ、モーターショーはこの先、どんな役割を果たすのか……。

地域で差が出るクルマに対する意識

日本ではクルマを所有することへの熱意が薄れてきたと言われている。しかし筆者は「クルマのことが根っから嫌い!」という方々は少数派であると考えている。さまざまな理由でクルマ離れ(≒販売台数低下)が現象となった、これが実情であろう。

筆者は幼少期からクルマやモーターサイクルなど乗り物全般が大好きで、また仕事柄マイカーとモーターサイクルを所有しているが、年間の維持費はやはり相当な負担だ。駐車場代、保険料、車検代、税金、燃料代、メンテナンス代といわゆるランニングコストは財布に重くのしかかる。

一方、都市部のような公共交通機関が望めない地域では、マイカーは今も変わらず生活の必需品である。自動車工業会による調査では、都市部の自動車ユーザーのうち「クルマがないと不便」と回答した数が33%であるのに対して、小都市やその周辺部では70〜81%の自動車ユーザーが「クルマがないと不便」と回答している(N=4498)。