ところが、日本株式会社は違う。多くの日本の会社では、クライアントに付加価値を生み出すという意識が希薄化している。大企業であればあるほど、一社員とクライアントとの距離は遠くなり、付加価値を生み出そうという意識が消えている。

そもそも、日本の会社は、売り上げを伸ばし、利益を拡大することを第一目的に置いていないのではないかと私は考えている。こんなことを言うと、多くの人が「ウチはそんなことはない」という。しかし、アメリカの企業の平均ROE(自己資本利益率)は20%程度、日本企業の平均ROEは8〜9%という現実を、どう説明すればよいのだろうか。

日本の会社にとっていちばん大事なのは、社員の生活を定年まで保証すること。つまり、日本社会の中での会社は、江戸時代の村と同じ。そこに入った村人が死ぬまで仲良く暮らしていける生命維持装置なのである。売り上げと利益を伸ばすよりも、安定して長く続いていくことが第一目的とされる。

だから、リスクのありそうな投資はしたがらない。会社に金をため込む。今の日本の一流といわれている企業は、新たな投資をせず、内部留保を積み上げ、株主へも社員へも十分に分配をしていないではないか。

こうした安定志向の組織では、社員たちの和が最も重要になるので和を乱すことが最も嫌われる。前例踏襲で、波風を立てず、関係部署の顔をつぶさず、上司の顔を立て、無難な仕事をしていく人が評価される。だから、仕事のポイントは、「根回しと忖度」となる。

忖度社員の市場価値はゼロの現実

こんな根回しと忖度仕事を10年、20年も続けたら、社員の思考は停止する。何が正しいかではなく、何が関係各署の顔を立て社内稟議が通りそうか、皆の気持ちを忖度できるかどうかが、出世できるかどうかの分かれ道になる。

ところが、そんなスキルをいくら身に付けても、それはほかの会社、転職市場では、まったく価値がない。

高い給与を取れる人になるための第一歩は、付加価値社員への自己変革

ここまで読めば、明らかだろう。私たちの給与を上げるためには、これまでの仕事のやり方を変え、一人ひとりが付加価値を生み出す仕事をできるように自己を変革していかなければならない。○○会社の中だけで通用するスキルではなく、市場で評価される普遍的なスキルを身に付ける必要がある。