「井の頭線から乗り換えようとすると、混んでいて階段上るのもマジかって感じ。寝ぼけた頭では危ない」。1月初旬の平日、京王井の頭線から東京メトロ銀座線に乗り継いで通勤する男性会社員は、新しくなった銀座線渋谷駅への乗り換えについてこう漏らした。

1月3日から新駅舎に切り替わった銀座線渋谷駅。東急百貨店東横店のビル3階から明治通り上空へ約130m移動し、従来は乗車・降車が別々で狭かったホームも、幅約12mの広々とした造りに変わった。

一方、利用者からは不満の声も上がっている。問題はホームそのものではなく、乗り換えの経路。とくに影響を受けているのは井の頭線から銀座線に乗り換える利用者だ。従来は別だったJR線中央改札へのルートと動線が重なってしまい、途中の階段付近が大混雑する事態となっているためだ。

新駅舎の使用開始からもうすぐ1カ月。現状と今後の変化について探った。

JRと銀座線への乗り換え経路が重複

平日朝8時過ぎの井の頭線渋谷駅。約2分おきに到着する電車から吐き出される人の群れに流されるように改札を出ると、その先は画家・岡本太郎による巨大な壁画「明日の神話」がシンボルの連絡通路だ。ここは駅ビル「渋谷マークシティ」の2階にあたる。

銀座線渋谷駅のスクランブルスクエア側改札。移転により井の頭線の駅からはやや遠くなった(撮影:尾形文繁)

銀座線の駅移転前は、同線への乗り換え客は連絡通路中央の階段・エスカレーターなどを経由して銀座線乗車ホームへ、JR線利用者は右側にある数段の階段を下って東急百貨店東横店ビル2階へ入り、同フロアの玉川改札(山手線新宿方面)や、階段を上って中央改札(山手線品川方面・埼京線・湘南新宿ライン)へと、乗り換えのルートが分かれていた。

だが、銀座線の駅移転により、同線への乗り換えもJR中央改札方面と同じルートを通らざるをえなくなった。東急東横店2階のコンコースから中央改札方面へと通じる階段付近は人であふれ、なかなか先へと進まない。