お金のご相談に来られる方々のライフステージは大きく2つに分かれます。「資産形成世代(現役世代)」と、「リタイアを目前に控える、あるいはリタイアをした世代」です。

大切なポイントは、前者の資産形成世代では合理的な運用を長期間続けていくこと。また後者のリタイア世代でも、運用をやめる必要はありません。しかし、後者のステージではそれに加えて、長い老後を心豊かに過ごすために、いかに資産を持たせるかという「資産の取り崩し」についても考える必要があります。さっそく、この後者のケースを見ていきましょう。

財布のひもが緩みやすい「子育て終了後の50代」

会社員の西山秀人さん(59歳・仮名)は、まもなく60歳の定年を迎えます。3年前に子供が独立してから支出が減り、生活に余裕ができました。それまで控えていた旅行を夫婦で楽しむなど、趣味にお金をかけられるようにもなって、現在、支出が大きくなっています。

西山さんは継続雇用で65歳まで仕事を続けるつもりですが、収入は大きくダウンします。65歳からは公的年金を中心とした生活になります。西山さんの奥様は2つ年下の専業主婦。女性の4人に1人は95歳まで生きるというし、妻の老後があと30年、35年と続くと思うと、お金が持つかどうか不安……。「老後に向けてお金の計画を立てておきたい」と、ご相談に来られました。

50代は人生で収入が最も高くなる時期です。子供の独立や住宅ローンの終了などで支出も減ると、生活に余裕が出てきて、財布のひもまで緩む人も少なくありません。最近は「人生のお金の出口戦略」に関心のある人が増えていますが、50代になったら一度、「老後のお金の人生設計」を立てるとよいでしょう。