延伸工事が進む北海道新幹線は、新函館北斗―札幌間212kmに新八雲(仮称)、長万部、倶知安、新小樽(仮称)の4駅が建設される。そのほぼ中間、長万部町で2019年4月、注目すべき活動が始まった。

隣接する黒松内町、豊浦町と3町で「はしっこ同盟」を結成、新しい「まち」をつくる勢いで連携が進んでいるのだ。札幌延伸まで11年、新幹線は早くも、地域を変えようとしているのか。

「はしっこ」から「ど真ん中」へ

「はしっこも 集まりゃ 俺らがど真ん中」。長万部町役場の会議室のパネルに“設立宣言”というべきキャッチフレーズが躍る。3町が地図上で「手」をがっしり握り合うイラストと一体化し、シンボルマークを構成する。ユーモラスな、しかし地に足が着いたたくましさを感じさせる。豊浦町出身・在住の44歳のデザイナー、宇川裕哉さんが制作した。

筆者が初めて「はしっこ同盟」の名を耳にしたのは2019年5月だった。北海道新幹線調査のため長万部町役場を訪れ、名前とシンボルマーク、斬新なコンセプトに心ひかれた。ただ、当時はまだ調印から1カ月とあって活動は始まったばかりだった。そこで同年10月末に再訪し、加藤慶一まちづくり推進課長、岸上尚生新幹線推進課長らに話を聞いた。

「はしっこ同盟」の3町=地理院地図から(筆者作成)

3町は渡島半島の付け根に並び、長万部―黒松内の中心地間が20km、車なら30分弱だ。長万部―豊浦間、豊浦―黒松内間はともに約40km・約40分の距離にある。地形的にはどうみても「端っこ」ではない。いったい、なぜ?

「3町はそれぞれ、道庁の総合出先機関である『総合振興局』の管内の端に位置しています。長万部町は渡島管内の北端、黒松内町は後志管内の南端、豊浦町は胆振管内の西端です」。そう解説してくれた加藤課長が、「はしっこ同盟」の名付け親だという。長万部町から渡島総合振興局のある函館市までは約110kmの道のりで、後志総合振興局のある倶知安町や、胆振総合振興局のある室蘭市よりも遠い。

「以前から、3町とも『端っこ意識』が強かった。『はしっこ同盟』を『真ん中同盟』にしたい」と加藤課長。誕生のきっかけは、北海道新幹線・長万部駅の整備計画だった。