5月14日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた「緊急事態宣言」が39県で解除された。政府は東京都や大阪府、北海道など残る8都道府県についても、21日をメドに解除できるかどうか改めて判断する方針だ。

同宣言の発令後、外出自粛要請に伴うテレワークの拡大などで、これまで終日多くの人であふれていた都市部の電車内やターミナル駅の風景は一変した。内閣官房の「新型コロナウイルス感染症対策」ウェブサイトのデータによると、4月の平日、JR新宿駅の改札通過人員は前年比で最大78%減少。首都圏のほかの主要駅も前年比でおおむね7〜8割減った。空いている時間帯は車内で1席ずつ空けて座る人々も目立つようになった。

ただ、5月の大型連休終了後はやや混雑が戻ってきたとの声も聞かれる。平常時に比べれば乗客が減っているとはいえ、はたして車内で「ソーシャルディスタンス」を確保することは可能なのか。東京圏の通勤路線について、各種公表データを基に調べてみた。

混雑はどの程度緩和したか

国や自治体は、新型コロナウイルスに関するウェブサイトで駅や鉄道の利用者数の変化を公表している。例えば内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策サイトによると、5月7〜13日の平日、東京駅の改札通過人数は前年比で74〜78%減、新宿駅は71〜75%減、渋谷駅は73〜76%減となっている。

首都圏の鉄道で時間帯ごとのデータを継続的に公開しているのは都営地下鉄だ。朝ラッシュ時の6時30分〜10時30分について3つの時間帯に区分し、今年1月20日〜24日の平均利用者数との比較で全線の利用者が何割減ったかを示している。

緊急事態宣言発令の翌週、4月13〜17日の都営地下鉄の利用者数は、朝6時30分〜7時30分が40.8%減、7時30分〜9時30分が65.5%減、9時30分〜10時30分が65.5%減。一方、大型連休後最初の平日だった5月7・8日は、それぞれ40%減・63.9%減・64.1%減と減少幅がやや縮小した。「連休明けはやや混み始めた感じ」という感覚を裏付けるデータだ。