具体的には、2021年11月以降に発売される新型の国産乗用車に関して基準を満たした性能を有する衝突被害軽減ブレーキの装着が義務化されます。この義務化の時点で販売されている車(=継続生産車)は2025年12月以降に適応されます。また、同タイミングでの軽トラック(軽自動車のトラック)はさらに後ろ倒しで2027年9月以降に義務化が課せられます。

この義務化は国産車だけを対象にしたものではありません。正規販売される輸入車の新型車は2024年6月以降、同継続生産車には2026年6月以降、それぞれ国内基準が適応されます。

衝突軽減ブレーキに対する誤解

これら衝突被害軽減ブレーキやACC、LKSは「先進安全技術」、「運転支援技術」とも呼ばれ、英文ではADAS(Advanced Driver Assistance System)とも標記されます。ADASは普及率の高まりとともに、危険から遠ざかる運転環境を多くのドライバーに提供し続けます。しかし、過信は禁物です。なかでも衝突被害軽減ブレーキに対する誤解はいまだに多く、装着していればすべての事故が避けられるかのような誤った認識も一部に見られます。

確かに衝突被害軽減ブレーキは有効です。しかしそれは、衝突の可能性が極めて高い場合に介入する自動的なブレーキ制御によるもので、センサーの認識性能や路面状況にも左右されるため、システムによる減速には限界があります。

したがって、ドライバーはブレーキ制御が介入する前に発せられる警報ブザーやディスプレイ表示に従ってブレーキを踏む、ステアリングで回避することが求められるのです。

そうしたなか、自動走行技術への注目も日々高まっています。いわゆる自動運転と呼ばれる当分野の礎は、右肩上がりの普及率を示すADASです。実際、世界中の自動車メーカー/サプライヤー企業の技術者は、「両システムで使用しているセンサーやアルゴリズムの多くは共有され、すでにシンクロ率は非常に高く、さらに今後は5G通信など次世代型のコネクティッド技術とも融合していく」と口をそろえます。