東京ドーム・後楽園ホール(東京都文京区)のお膝元である「JR水道橋駅」の西口を出て、水道橋西通りを神保町方面に向かって徒歩数分。この地で21年続いていたラーメン店が5月25日にひっそりと幕を下ろした。

麺一筋の店頭に貼られていた閉店の告知(筆者撮影)

「尾道ラーメン 麺一筋 水道橋西口店」。広島県尾道市を中心とした広島県東部エリアに広がるご当地ラーメンの「尾道ラーメン」を看板メニューとしていたお店だ。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って外食を避けるムードが広がったうえ、東京ドームや後楽園ホールで開催が予定されていたイベントが軒並み中止に追い込まれた。

4月上旬に発令された緊急事態宣言による外出自粛がとどめを刺した。くしくも閉店となったのが、東京都の緊急事態宣言が解除されたその日だった。

「新型コロナに打ち克つことはできませんでした。無念です。21年間ご愛顧いただき心より感謝いたします。ありがとうございました」

閉店を伝えた店頭の張り紙には、店主の悔しさがにじみ出ていた。

尾道ラーメンの特徴とは?

「麺一筋」は1999年にオープン。創業者の故・矢辺治氏が全国のラーメンを食べ歩く中で、尾道ラーメンの美味しさに魅せられ、独自にアレンジしたラーメンを提供したのが始まりだ。鶏ガラをベースにしていて、豚の脂をミンチ状にした塊が浮いているのが尾道ラーメンの特徴の1つ。お店によっては、地産地消でスープに瀬戸内の小魚を使っているケースもある。

2018年にマルハニチロが調査した「ラーメンとチャーハンに関する消費者実態調査2018」で、食べたいご当地ラーメン(複数回答形式)を調査したところ、尾道ラーメンは第8位(16.8%)にランクインしている。

1位は博多ラーメン(31.5%)、2位札幌ラーメン(31.0%)、5位旭川ラーメン(20.6%)と福岡、北海道系が強い。3位喜多方ラーメン(25.1%)、4位沖縄そば(22.5%)も定番だ。尾道ラーメン以外で、これらに続くのは富山ブラック(11位)、佐野ラーメン、京都ラーメン(ともに13位)といったところで、これらはちょっとしたラーメン好きなら見聞きしたことのあるご当地ラーメンといえる。