2020年度の第2次補正予算が6月12日に成立し、コロナ禍での私たちの暮らしを守る給付金制度がさらに拡大されることになりました。追加の歳出が約32兆円という過去最大級の補正予算からも、コロナの恐ろしさを改めて感じることができます。

今回の給付金制度の内容を見ていると、より多様な環境下で暮らす人々に寄り添ったものに変わってきているのだと理解できます。逆にいうと、それだけ過去の「枠組み」は意味をなさないものになってきたと感じます。

従来の枠組みを塗り替えた「コロナ特例の給付金」

例えば、国民1人一律10万円の特別定額給付金は、世帯主の口座に家族全員分の給付金が支払われるという仕組みですが、配偶者からの暴力(DV)などを理由に避難している方については、世帯主でなくとも給付金を受けられる配慮がされました。過去の日本の「家」制度から考えると、「世帯」という枠組みを外して「個人」に焦点を当てようという変化を感じます。

雇用調整助成金についても、会社から休業手当が支払われない休業者に対しても国が直接支援金を給付する制度を新設しました。これも「会社」という枠組みから外れた対応と考えます。持続化給付金もしかりで、当初は事業所得が激減した個人事業主に対し最大100万円が給付される仕組みでしたが、給与所得や雑所得として確定申告しているために給付されない個人事業主(非常勤講師やフリーライター、ミュージシャンなど)も多いことがわかり、制度を見直すことになりました。従来の「個人事業主」の枠組みを時代が塗り替えたといえるでしょう。

筆者は、政府が時代に合わせた給付金対策に乗り出す姿勢を示していること、世論も多様な「個人」の状況を重視しようとしていることは非常によいと感じています。ただ、ひるがえって「個人」の姿勢を見ると、相変わらず枠組みに頼りきりのように映ります。結果、自分で情報を積極的に取りにいかない方は取り残されるのではないかという危機感も感じています。