しかし、筆者が先日登壇したワーキングマザーのイベントでは、「もう仕事を続けられるかわからない」「職種をフルタイムから変更しようと思っている」という母たちからの悲鳴が実に多く寄せられた。

なぜか。

コロナ下で見えてきた、変わらない課題

6月中旬、筆者が運営する一般社団法人アルバ・エデュでは休校期間中の過ごし方に関するアンケートを行い、全国の子育て世帯200世帯強から回答を得た。そこから見えてきたことは必ずしも「役割分担が工夫された」というものではなかった。

「休校中の家庭学習は誰が見たか?」において、「母親が見た」という回答が実に74%に上り、「父親が見た」の11%を大幅に上回ったのである。

(出所)アルバ・エデュ調べ(n=235)

平常時であれば、授業で習ったことに基づき、先生から解説がなされたうえで宿題が出される。しかし、長いところでは3カ月に及んだ休校期間中に、学校と家庭がオンラインでつながった自治体はほんの一握りにすぎず、多くの自治体では、宿題がプリントという形で手交され、家庭で解読して処理することになった。

未学習分野を家庭でこなすことは、子どもにとっても保護者にとっても試行錯誤の連続で、誰かしらが学習の面倒をみなければ、完了させることは難しかったのではなかろうか。

この宿題を見るというタスクを引き受けたのは、多くが母親であったのだ。祖父母も、感染を危惧して常時ほどは頼れなかったであろう。「その他」の多くは「本人がやっていたはず」「誰も見られなかった」「シッターさんに託した」というものであった。

緊急事態宣言が長期化していた自治体の多くも、6月1日から学校が再開した。これで課題が解消されたか、というとそう簡単ではない。先述の団体調査では6月中旬時点で学校での滞在時間が通常より短い家庭が約4分の3、大半が3時間以内の滞在であった。朝、子どもを送り出し、さあ今のうちにアレもコレも……とやり始めたと思ったらすぐに「ただいま!」と帰ってくる状況なのである。

(出所)アルバ・エデュ(n=235)