明るい話題もある。

全国に先駆けてオンライン授業に踏み切った熊本市教育委員会が「夏季休業日について(お知らせ)」と題して、夏休みの6日のみ短縮する根拠を示している。

この計算式で注目したい点は中央の2行目「家庭学習やオンライン授業等」の授業である。オンライン授業を導入したことで、家庭学習へのしわ寄せはこれまでより小さくできたのである。同じくオンライン授業に歩を進めた首都圏の私立の広尾学園中学校・高等学校同校では、自宅で定期テストを受けることを前提に、熟慮を要するテストとし、量を詰め込む暗記型教育を廃止したという。

ここ数日、都内では教員のコロナ感染が相次いでいる。第2波到来により学校が再度休校という可能性も否めない。学校が再開しているうちに、せめてスマホを使ってでもできる学校と家庭をつなぐオンラインホームルームなど、最低限のパイプを開けておくという施策は考えられないであろうか。

持続可能な社会のために

今年度は小学校、来年度は中学校、再来年度は高等学校と、新・学習指導要領が施行される。

メインテーマとなるのは「主体的で対話的で深い学び」の導入である。家庭における「特定の誰か」が見るのではなく、子どもが主体的に学ぶことがうたわれている。ただ詰め込むのではない、「対話的」で「深い」学びが必要とされている。さらに、これまでの学習指導要領では20カ所程しか出てこなかったにもかかわらず、新・学習指導要領において90カ所近く出現する単語がある。「持続可能」という語だ。

このままの詰め込み教育の一方で、「家庭学習は母親の役割」という固定観念のままに家庭学習の負担が増えれば、女性にとって仕事との両立は持続可能ではない。子どもの宿題を見る負担が今まで以上に増える以上、長時間の仕事には及び腰になる。会社もそんな女性を「管理職に登用を」と強くは押せなくなる。この結果、日本の女性管理職が減るという負のスパイラルが起きてしまう。

失速する経済において、女性の能力を生かすことは喫緊の課題だ。しかしながら、女性の管理職登用と表裏一体となる教育のアップデートなしには、これ以上労働力として社会に駆り出すことは不可能である。学校での授業を前提とした長時間を要する学習内容を見直し、家庭の負担を軽減することこそが持続可能な社会への第1歩である。

著者:竹内 明日香