JR中央・総武線各駅停車の飯田橋駅(東京都千代田区)で7月12日、新しいホームの使用が始まった。従来のホームは急カーブの場所にあったため、乗降時に電車との隙間が大きく開き、転落事故が少なからず発生。抜本的な安全対策としてホームの移設工事を進めていた。

ホームは従来よりも西側(新宿寄り)に約200m移動。併せて新しい西口駅舎もオープンした。

電車とホームに33cmの隙間

飯田橋駅が開業したのは昭和初期の1928年。中央線の複々線化に伴い、近接していた飯田町駅と牛込駅の2駅を統合して誕生した。現在は東京メトロ東西線・有楽町線・南北線、都営地下鉄大江戸線と接続する交通拠点としてにぎわい、2019年度の1日平均乗車人員は9万304人。JR東日本全駅中で仙台駅(9万699人)に次いで50番目に多い。

従来の飯田橋駅ホーム。電車とホームの隙間は最大で33cm開いていた(写真:JR東日本)

同駅の長年の課題だったのが、ホームと電車の間の大きな隙間だ。従来のホームは半径300mの急カーブの途中に位置し、電車との隙間は最大で33cm、高低差も最大で20cmあり、転落事故がたびたび起きていた。JR東日本はホームに注意を促す回転灯や「転落検知マット」を設置するなどの対策を行ってきたが、2019年度も12件の転落事故が発生した。

同社は2010年ごろから、千代田区の協力も得て有識者に意見を聞くなどし、さらなるホームの安全策を検討。2014年7月に「抜本的な安全対策」として、ホームを新宿寄りの直線区間に移設すると発表した。同社によると、これまでに「安全対策としてホームを移設した駅はない」(東京支社広報)という。

新しいホームは、旧ホームと旧西口駅舎を結ぶスロープや、かつて電車が折り返す引き上げ線があった場所に設置。ほぼ直線の区間で、カーブしている部分も半径900mと従来のホームと比べて大幅に緩い。電車とホームの隙間は最大で15cmに縮小し、高低差もほぼ解消。旧ホームは東口への連絡通路として引き続き使われる。