新幹線は乗車券に加え、1駅最低でも870円の特急料金を追加購入しなければ乗れないものだが、区間によっては在来線運賃(特急がある場合は特急料金も)と新幹線の運賃・特急料金の合計を比べると、新幹線のほうが安かったり、大差なかったりする区間が存在する。

5月30日付の記事「意外?在来線より『新幹線のほうが安い区間』5選」や、7月10日付の記事「『在来線+α』で大幅時短、お得な新幹線区間10選」ではそのような区間を紹介したが、今回は「新幹線が開業すれば在来線より運賃が安くなりそうな区間」を取り上げたい。

全国では、2022年度開業予定の九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)武雄温泉―長崎間をはじめ、2030年度開業を目指す北海道新幹線・新函館北斗―札幌間、そして最近話題のリニア中央新幹線など、今後も新幹線の計画がある。新幹線開業による所要時間の短縮はよく取り上げられるが、運賃・料金はどうなるだろうか?

なお、本記事の新幹線運賃・料金は計画資料などに基づいて筆者が試算したもので、実際の開業時の運賃・料金とは異なる可能性がある点は注意いただきたい。

長崎新幹線の効果は?

<九州新幹線(長崎新幹線) 武雄温泉―新大村間>

佐賀県の「全線フル規格化反対」で今後の動向が注目される九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)だが、武雄温泉―長崎間は2022年度の開業が決まっている。このうち、武雄温泉から嬉野温泉を経て新大村に至る区間は在来線をショートカットするルートだ。

新大村駅は大村線の諏訪駅から少し離れたところにできる。在来線の諏訪駅を基準にするならば、武雄温泉―早岐―諏訪で61.0km、地方交通線運賃で1310円だ。一方、長崎新幹線の武雄温泉―新大村間は計画図面によれば32.2km。するとルートが短くなるだけでなく、より安い幹線運賃が適用されて670円となるはずだ。これなら在来線より実に640円も安い。想定される新幹線特急料金1260円を足しても1930円。620円の追加で新幹線が利用できそうだ。