今年7月に、「カローラクロス」と名乗る新しいSUV(スポーツ多目的車)がトヨタから発売になった。ただし、発表はタイで行われ、発売もタイからのスタート。ほかの市場へ向けては「順次」となっており、日本導入時期も明らかではない。では、このカローラクロスという新しいSUVは、いったいどんなクルマなのだろうか。

カローラクロスの主要諸元を参考にすると、その位置づけが「C-HR」と「RAV4」の中間にあるあることが見えてくる。

車体寸法は全長4460mm×1825mm×1620mmで、全長はC-HRより75mm長く、RAV4より140mm短い。全幅はC-HRより30mm広く、RAV4より30mm狭い。全高はC-HRより70mm高く、RAV4より65mm低いというもの。

これらをまとめると、C-HRより若干大柄で背も高いが、RAV4より小柄になる。C-HRとRAV4の間にうまく収まったサイズ感は、絶妙といえる。スタイリングもC-HRとRAV4の中間的な印象だ。

そうなれば、3車種が互いにトヨタ同士で競合しないのかという老婆心も働く。しかし、その心配はなさそうだ。

少しずつ異なるサイズとキャラクターの妙

C-HRは、競合のホンダ「ヴェゼル」をしのぐ高い人気を維持し続けるものの、その大胆な外観に対する好みや後部座席の狭さ、後方視界の悪さなどから、手控えていた消費者もいる。

それに対しカローラクロスは、写真でしか確認できていないが、RAV4に通じるような逞しいSUVらしい外観で、後部座席や荷室も広そうだ。広く受け入れられやすい造形にみえる。

また、C-HRが見栄えを重視したクロスオーバー的な存在であることからも、カローラクロスは実用性を重視した小型SUVとして棲みわけできるように思える。「カローラ」という歴史ある車名がついていることで、たとえ実車を見なくても性能や機能に対する信頼も高いだろう。

SUVらしいプロポーションで後席の居住性も確保されている(写真:トヨタ自動車)

RAV4との比較では、カローラクロスがC-HRと同様、現行「プリウス」から採用の始まったTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)による小型車向けの「GA-Cプラットフォーム」を活用しているのに対し、RAV4は現行「カムリ」から採用された、1クラス上の中型車向け「GA-Kプラットフォーム」を用いている。

RAV4は車格が1つ上であり、全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mmの寸法を持つ車体は、それなりに大きい。特に全幅は、「アルファード」を超えるほどだ。

カローラクロスの車体寸法は「カローラセダン」や「カローラツーリング」に近く、RAV4が欲しいけれども大きすぎると感じていた人に、うってつけのサイズとなるだろう。車庫などの事情に配慮し、カローラを購入できる人が手に入れやすいSUVとして、トヨタ同士の食い合いをせずに済む位置づけに見える。