福岡地方と筑豊地方を結ぶのは福北ゆたか線。篠栗線・筑豊本線が正式名称で、筑豊本線はかつて筑豊炭田の石炭輸送でにぎわった路線。それが2001年の篠栗線全線と筑豊本線折尾―桂川間の電化に伴って福北ゆたか線の愛称を与えられ、県内の通勤通学路線として定着したものだ。

福北ゆたか線の電車(筆者撮影)

途中で篠栗峠を越えて走る路線で、基本的には通勤型の電車が走るだけだが、朝夕には特急「かいおう」が博多―直方間で運行。この「かいおう」、平日は通勤需要に応え、土休日は筑豊から博多方面への買い物・レジャー需要に応えるべく、微妙に異なるダイヤが組まれているのも特徴である。

福北ゆたか線は、福岡と筑豊を結ぶだけでなく北九州と筑豊を結ぶ役割も持つ。黒崎―直方間では筑豊電鉄も通っており、きめの細かい地域輸送はこちらが担う。北九州と筑豊は日田彦山線や第三セクターの平成筑豊鉄道も結び、いずれもローカル感が強いものの交通手段は充実しているといっていい。

JRと西鉄が競合する区間

福岡から南に進んで背振山地を横目に筑後までを連絡しているのは九州新幹線・鹿児島本線に加えて西鉄の天神大牟田線。福岡市内―大牟田の間はJRと私鉄がものの見事に“競合”していることになる。JRの快速と西鉄の特急で、所要時間はいずれも1時間10分ほど。

西鉄天神大牟田線の電車(筆者撮影)

JR鹿児島本線の特急「有明」(筆者撮影)

ただし、他の地域のJRと私鉄の競合区間でもそうであるように、途中の久留米市などでは私鉄のターミナルを中心に市街地が形成されている。JRは早朝の上り1本だけの特急「有明」で対抗しているが、まあ西鉄のほうがいくらか分のいい戦いを繰り広げている。

といっても、JRが少しだけ佐賀県に入って鳥栖を経由している一方で、西鉄は大宰府や柳川といった観光都市を通るなど、実際には競合というよりうまくすみ分けが成立している。途中では2度ほど互いに交差しているが、同一駅で乗り換えができるのは大牟田駅だけというのも特徴といえる。