ボディサイズ順に小さいほうから、「レネゲード」「コンパス」「ラングラー」「チェロキー」「グランドチェロキー」……。現在、ジープが日本市場でラインナップするモデルだ。どれもSUV、しかも本格的なオフロードでの走行性能を誇る。

「雪道をはじめ悪路を走る機会はほとんどない」という人から見れば、ジープの魅力の1つであるオフロード性能は響かないように思える。

ただ、ジープ全体の日本国内における販売台数は2010年の1877台から、2019年には1万3360台へと、実に7倍以上も増えた。しかもこの10年間、順調にその数を伸ばしている。

これはなぜか。筆者の見解は、悪路や悪天候など悪い条件が重なるほど高まるクルマに守られるかのような安心感と、見た目と裏腹に普通に乗りやすいこと、この2点に尽きる。

ジープの中でも特別な「Trail Rated」の称号

ジープの生まれ故郷であるアメリカ市場では、地域差も大きいが、それでも市街地から2時間も走らせれば、往来するクルマがほとんどない場面に出くわす。それが山中、しかも雨の夜間などといった状況が加われば自ずと心細くなる。

ジープでは、独自規格である「Trail Rated」の称号をレネゲード、ラングラー、チェロキー、グランドチェロキーに(本国ではコンパスにも)与えている。Trail Ratedとはラインナップの中で、悪路での走破性能が高められたモデルを意味する。

①トラクション(駆動力)、②渡河性能、③機動性、④アーティキュレーション(接地性)、⑤地上高の5つの項目でジープの定めた性能テストに合格することが称号獲得の条件だという。

左からラングラー(3モデル)、グランドチェロキー、チェロキー、レネゲード(筆者撮影)

5項目の性能テストは、アメリカの「ルビコントレイル」と呼ばれる難所(ネバダ州からカリフォルニア州へ続く悪路)で季節を問わず継続して行われている。ルビコントレイルでの走行は険しい自然環境での適合性能テストであり、そこでの評価→開発→製品化のプロセスはユーザー評価を大きく左右する。当然、その裏付けされたオフロード性能は、大きな安心感となって迎え入れられるわけだ。

今回、そのジープ各モデルにクローズドコースで試乗した。といっても人工的な専用コースではなく、冬場はスキー場としてオープンしているゲレンデが舞台。いわば自然が作り上げた、ありのままのコースを縦横無尽に走らせたのだ。