ホンダがアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)と提携拡大に踏み出した。

両社は9月3日、北米向けの車両でのエンジンやプラットホームの共通化、部品の共同購買など幅広い分野での包括提携を検討すると発表。ホンダがこれまでの部分的な提携から大幅に深化させる背景には、自前主義の限界が垣間見える。

「新たな協業を通じて、将来のモビリティ技術への投資に向け、最大市場の北米で大幅なコスト効率の向上が実現可能となる」。ホンダの倉石誠司副社長は発表声明の中で、提携拡大の意義を強調した。

車の基幹部分にも提携範囲を拡大

1990年代に始まった両社の協業は近年、次世代技術の開発を中心に進んできた。2013年に燃料電池車(FCV)の開発で提携したほか、2018年にライドシェア向けの自動運転車、今年4月には電気自動車(EV)での共同開発を決めるなどしてきた。ただ、あくまで個別の技術分野ごとの協業にとどめてきた。

今回は車の土台に相当するプラットホームやエンジンなどを含め、車の商品力を左右する基幹部分にまで範囲を広げる。先進技術の研究開発全般での協力も模索しており、従来「独立独歩」を信条としてきたホンダにとっては大きな路線転換とも言える内容だ。

提携拡大における最大の目的は、低空飛行が続く4輪事業の収益改善にある。売上高では7割近くを占める4輪事業だが、2019年度の営業利益率は2輪事業が13.9%だったのに対し、4輪はわずか1.5%。高収益の2輪が不振の4輪を支える構図が近年定着している。

その4輪の低迷は、伊東孝紳・前社長の時代に世界販売600万台を掲げて推し進めた急激な拡大戦略が招いたものだ(2019年度は479万台)。身の丈を超えた生産能力が収益を押し下げたほか、モデル数の急増によって現場が混乱して開発効率も悪化した。

こうした事態を受け、2015年に就任した八郷隆弘社長は収益重視の方針に舵を切り、国内や英国などの工場閉鎖や研究開発体制の再編などに取り組んできた。とはいえ、業績面で目に見える成果はいまだ表れておらず、ここ数年は追加の収益改善策を迫られていた。