9月11日、京都・大阪―出雲市駅間に新たな長距離列車「WEST EXPRESS銀河(以下銀河)」がデビューした。「横になって寝られる」設備を多数備えた銀河とはどんな列車か、乗車して感じた特色と課題を紹介したい。

必ずしも夜行列車ではない

「銀河」は夜行列車として注目されるが、「西日本エリアの魅力的な地域を結ぶ新たな長距離列車」で、夜行運転を前提とした列車ではない。実際、ニュースリリース「山陽方面への運行について」では、2020年12月〜2021年3月にかけては、下りが大阪駅7時20分ごろ発、下関駅19時45分ごろ着、上りが下関駅10時40分ごろ発、大阪駅22時30分ごろ着とされ、昼行運転である。

かつて、同区間を走っていた在来線特急「しおじ2号」は、6時間58分運転だった。銀河の117系は性能が「しおじ」の181系と大差ない。にもかかわらず銀河の所要時間が12時間近いということは、わざわざ5時間遅く走っているのである。これは「魅力的な地域を結ぶ列車」というコンセプトに関わってくる。
 
銀河は「あえて遅く走る」。その理由は到着する銀河を、「魅力的な地域」が「おもてなし」し、それを受けるために長時間停車するからである。

筆者が乗車した上りの銀河は、出雲市駅16時00分発、大阪駅6時12分着で、所要時間は14時間12分だ。この区間は新幹線+特急なら4時間程度。出雲市駅を18時27分に出発しても、その日のうちに大阪まで戻れる。つまり、上りの実用性はない(下りは新幹線+特急の最終より遅く出発し、始発よりも早く到着するので、一定の実用性はある)。

つまり銀河は「乗ることを目的とした列車」で、列車の評価も「乗ったときに楽しめたか」。寝台特急とは評価軸が異なる列車である。