創業20年で従業員数5万人。世界最大級の顧客管理(CRM)ソフトウェア企業であり、GAFAに並ぶ巨大IT企業であるセールスフォース・ドットコム。

同社のユニークな、成長と社会貢献を両立させるという企業文化を、創業者マーク・ベニオフ氏が生い立ちから企業理念、社会への思いからつづった『トレイルブレイザー――企業が本気で社会を変える10の思考』の日本語版がこの夏に刊行され、各所で話題になっている。

8月4日、本書の出版を記念してオンラインイベントが開催され、登壇者は、New Relicの小西真一朗氏、Faber Companyの成田麗子氏、メドレーの田中大介氏。モデレーターは、groovesの赤川朗氏(Forkwell事業部長)が務めた。

共助と自発性の企業文化

赤川朗(以下、赤川):小西さんは、日本のセールスフォース・ドットコムでトップセールスを経験されています。企業文化について教えていただけますか。

小西真一朗(以下、小西):私が最初に連想するキーワードは「共助」ですね。なかでも、セールスフォースに入社した初日の衝撃は忘れられません。

まず社内で使っている環境にログインするわけですが、社内SNSを開くと、社内にいる営業の皆さんが積極的に自分のノウハウや情報を共有していて、どなたも恥ずかしがることなく、「ここがわからない」「誰か助けて」とオープンに発信しているのです。そして、そこにすごい量のレスポンスがつく。そんな企業文化は初体験でした。

成田麗子(以下、成田):私は今年6月にセールスフォースを退社したばかりですが、とくに自発性の強い会社だなと思っています。全員がわからないことを自発的に質問して、それに対して全員が自発的にノウハウを伝播していく。すばらしい情報の共有がなされていることが、急成長を支えていると思っています。

赤川:田中さんは、セールスフォースの熱心なユーザーでありながら、みずから「セールスフォース道場」という私塾を開催されていますね。

田中大介(以下、田中):SNSでセールスフォースの使い方や、実際の体験談を発信するうちに、多くの方に参加していただくようになりました。僕はかなり赤裸々で、時には製品などをディスってしまうこともあるのです。その結果、セールスフォースの上層部の方が、僕に意見をくれてけんかになったこともありました。

感情が丸出しになっていて、自社を本当に愛していて、自分が販売しているプロダクトが大好きだということがよく伝わってきました。愛ゆえの発言だったのだと思うと、そこに泥くさい人間味を感じて、最終的には仲良くなってしまいました(笑)。ほかの外資系ITとは違う人間くさい企業文化をなんとなく感じています。