8月11〜12日にQUICK社と日経ヴェリタスが共同実施した月次調査によれば、バイデン大統領で注目される政策としては、むしろ「税財政改革」よりも圧倒的に「対中政策」を挙げる層が多い。5月末以降に見られている人民元上昇は主に、主要国の中でも足取りが堅調な中国経済を反映したものとの解説が多いものの、「バイデン大統領誕生→対中関税など制裁措置の撤廃→対米輸出の増加→対米黒字の増加」との連想が働いている可能性もある。

もちろん、今のアメリカ政治では共和・民主のどちらが主導権を握ろうとも対中強硬路線は基本的に不変と考えたほうがよさそうだが、その「強硬度合い」に差異が出てくることはありうる。共和・民主が描く対中戦略が同じであるはずもなく、戦略が異なれば戦術も当然異なる。むしろ、トランプ政権のような朝令暮改を意に介さない戦術は党派を超えた属人的なアプローチであり、政権交代と共に変わるだろう。

ちなみに、「強硬度合い」の緩和とともに元安が容認されるのではないかとの発想もあり得るが、現状のところ、市場反応はそのようになっていない。直感的にも、通商問題がここまでこじれている以上、表立って通貨安誘導を許すまでの関係改善はないように思える。

バイデントレードで投資妙味のある他の通貨

このように「トランプ大統領がこれまでつらく当たってきた国の通貨は買い」がバイデントレードだとすれば、メキシコペソも投資妙味があるかもしれない。北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定として、半ばトランプ政権に押し付けられるように交渉が始まり、今年7月1日に発効したUSMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)にも巻き戻し期待が出てこよう。