テレビ、映画、小説など多方面で活躍する北野武を「元祖ユーチューバー」と呼んでも過言ではない理由とは? 神田伯山、関暁夫、島田秀平などさまざまな人気タレントのYouTubeチャンネルの運営を担う関口ケント氏による『メディアシフト YouTubeが「テレビ」になる日』より一部抜粋・再構成してお届けする。

テレビの寿命は、あと10年。

ユーチューブの世界を知れば知るほど、そして、もともとテレビ業界出身だからこそ、この考えは確信に変わってきています。なぜそう考えたかの理由を記す前に、まずはテレビとユーチューブの違いを今一度整理してみます。

芸能ニュースで、タレントや俳優のユーチューブチャンネル開設が報じられることが当たり前になってきた昨今。逆に、人気ユーチューバーがテレビのバラエティー番組やドラマに出演、というケースも増えています。ただ、どちらにも共通するのは、テレビでは人気なのにユーチューブは全然跳ねない……。ユーチューブでは人気なのにテレビではスベりがち……と、意外とハマらないケースが多いこと。それって、お互いが持ち味の生かし方、生かしどころをわかっていない、というのが大きな原因です。

北野武こそ「ユーチューバーの元祖」である

芸能人とユーチューバーの脳みそで決定的に違うこと。それは「芸能人=出演者」と「ユーチューバー=出演者でもある」という点です。芸能人は、ドラマでもバラエティーでも、求められた〈自分のパート〉をどう表現するか、で捉えている人が多い。

でも、ユーチューバーの場合、〈監督〉〈ディレクター〉〈編成〉〈カメラマン〉〈音声〉……全部をやりながら、もちろん〈出演者〉も務め、どう見られているか、という部分にまで気を配る必要がある。つまり、ユーチューバーは一点突破のスペシャリストであることよりも、さまざまなことに対応できるジェネラリストのほうが向いている、と言い換えられます。

逆に考えれば、この「ジェネラリスト気質」がある芸能人、または一出演者であることに満足できない芸能人なら、ユーチューブの世界で跳ねる可能性は大きい。

さあそして、あまたいる芸能人でその代表格と言えば、ビートたけし=北野武さん。僕のなかで、ユーチューバーの元祖は、北野武さんなのです。