菅義偉政権の誕生によって、記者クラブの抱える問題がさらに浮き彫りになっている。菅氏は就任後、官邸記者クラブの番記者やキャップらと立て続けにオフレコ懇談(オフ懇)を開催した。オフ懇自体は珍しくないが、公式の会見を開かぬ一方で、「記事にしない」前提のオフ懇を記者クラブ側が受け入れる過程も明らかになった。

では、全国津々浦々に存在する記者クラブはこうした問題の根っこにある「記者クラブ制度」をどう考えているのか。悉皆調査を試みた。その回答は社会の厳しい視線に耐えうるだろうか。

記者クラブは全国各地にある

記者クラブは何も首相官邸や各省庁といった「中央」にだけ存在しているわけではない。都道府県や大半の都市には、行政や警察、司法、教育などの分野ごとに必ずと言っていいほど記者クラブが存在する。ほとんどは役所内に記者室があり、主要マスコミの記者はそこに“常駐”している。

地方の記者クラブに常駐する全国メディアの記者は若い。現場記者の大半は20代という支局・総局も少なくない。そうした駆け出し時代から記者クラブを軸に取材を繰り返し、記者クラブ制度の恩恵にあずかりながら、その慣習に親しんでいく。そんな彼ら彼女らはやがて「中央」に行き、官邸記者クラブなどの構成員になるわけだ。したがって、都道府県レベルの記者クラブに対し、クラブ制度の問題点を尋ねる意味は小さくない。

今回の悉皆調査は8月に開始し、10月13日を最終的な〆切りとした。都道府県レベルの会見開放度に関する悉皆調査は、まず、先行的に行政側の回答を求める形で実施し、「47都道府県『知事会見』記者クラブ外への開放度 全国一斉調査で判明、マスコミの『聖域』の実相」(2020年9月19日配信)と題する記事で結果を詳報した。

これに対し、今回調査の回答者は当の記者クラブである。回答の多くは各記者クラブで意見を取りまとめた結果として寄せられた。前回調査における行政側の回答を併せて読むと、都道府県レベルでの実相が、より鮮明になってくる。