私がアメリカ留学時にお世話になったバトラー家の父親(ジム)も、毎日の朝食を担当していましたし、夕食もよくつくっていました(ちなみに、私のお気に入りはジムがつくるポテト料理でした)。

家事をする父の姿を見て育った2人の息子たちも、いまでは父親となりましたが、自然と家事や育児に参画しています。

母と父では子どもとのやりとりが異なる

アメリカの母子の読み聞かせの研究協力家族と、幼稚園で待ち合わせていたときには、こんなこともありました。

父親がやってきたので「今回の研究はお母さんにお願いしていたのですが……」と告げたところ、「え、そうだったの。僕も読むから、自分でいいんだと思った」と当たり前のように言われたのです。

ハーバード大学で学んでいたときにも、父親や男性も子どもに絵本を読むことが奨励されていました。

理由は、もともと、保育園や幼稚園では女性の先生の比率が高いため、家庭で母親だけが読み聞かせをすると、「本を読むのは女性の役割」という固定観念を子どもに与えかねないからです。

また、ウーロンゴン大学のダーズマ氏の研究によると、父親と母親では読み聞かせ方が違うとの結果が出ています。

母親は絵のなかのものの名前を質問したり、数を数えさせたりしますが、父親は本のなかの出来事やものを実生活と結びつけて子どもとやりとりすることが報告されているのです。

具体的にいうと、母親は生き物や道具の名前を聞いたり、数を数えさせたりします。一方父親は、主人公が何を考えているかを問うたり、絵本に出てくるものを日常生活と結びつけたりする傾向があります。

たとえば、絵本にはしごが出てくると、父親は「この前、はしごに登って屋根の修理をしたね」と話をふくらませたりするわけです。
さらに、父親は抽象的で複雑なことばを使う傾向にある、とも報告されています。

一方で、子どもと一緒に過ごす時間の長い母親は、発達段階を心得ているため、そのレベルに合わせて話すことが多いようです。

もちろん、家庭環境はさまざまですので、状況が許せばということにはなりますが、両親それぞれが交代で読むことで、読み聞かせの可能性がさらに広がるでしょう。

ダイアロジック・リーディングが、もともと言語教育のために開発されたものであることは、これまで述べてきたとおりですが、「せっかく英語圏で生み出されたメソッドで読み聞かせをするなら、ついでに子どもに早期の英語教育もしてしまったらいいのでは?」「そのためには英語の絵本を使って読み聞かせをしたらどうだろう?」と考えた方も多いのではないでしょうか。