総合商社大手の三菱商事が、コロナ禍で喘いでいる。

同社は11月5日、2020年4月〜9月期決算を発表した。純利益は前年同期比64%減の866億円と、苦しい結果となった。通期の業績見通しについては、純利益2000億円(前期比62%減)の当初計画を据え置いている。下半期(2020年10月〜2021年3月期)も大きな回復は望めなさそうだ。

同日、電話会議で決算内容について説明した三菱商事の垣内威彦社長は、「業績が低迷していることを真摯に受け止め、緊張感のある経営を実行していきたい」と語った。

踏ん張った伊藤忠

三菱商事はここ数年、総合商社5社の中でトップの純利益を叩きだしてきた。ところが今期に入ると、厳しい局面に立たされた。

前2020年3月期決算は業界2位だった伊藤忠商事がコロナ禍でも堅調な業績をみせ、今2020年4〜9月期の純利益は2525億円と、前年同期比12%減ながら、上半期としては過去3番目の好業績だった。

コロナ禍でも幅広い事業部門が健闘したことがその理由だ。伊藤忠の鉢村剛CFO(最高財務責任者)は「エネルギー・化学品部門では合成樹脂の取引、衛生用品や日用品の取り扱いが堅調だった」と語る。鉄鉱石市況の高い状態が続いたことも、利益に寄与した。

伊藤忠は通期も純利益4000億円(前期比20%減)計画としていることから、5大商社の中で頭一つ飛び抜ける格好になる。三菱商事と伊藤忠商事の今期純利益計画は、その差が2倍に開く。

5番手の丸紅は食料事業や金属事業が好調なため、11月4日に今2021年3月期の通期純利益計画を従来の1000億円から1500億円に引き上げた(前期実績は1974億円の赤字)。これにより、三菱商事と丸紅の通期純利益の差は500億円に肉薄する。