大接戦となったアメリカの大統領選挙は、11月7日にジョー・バイデン候補が勝利宣言したことで1つの区切りがついた。大統領選挙はもはや過去の出来事で、金融市場の注目はバイデン政権の経済政策運営や、アメリカを中心とした世界経済の回復が続くかという点にシフトしている。

アメリカの経済政策は大統領だけが決めるのではなく、予算の立法権を持つ議会の意向によって大きく左右される。まだジョージア州での上院の決選投票を2021年1月に控えており上院の情勢は定まっていない。

だが、共和党が上院を僅差で制し、いわゆる「ねじれ議会」になる可能性も高い。大統領選挙前には、民主党の大勝そして議会も制する「トリプルブルー」が早々に決まるとの期待が高まった。一部のエコノミストらは、トリプルブルーでアメリカ経済の成長が高まり、株式市場の追い風になるとの見方を披露していた。

「民主党完全勝利」の懸念が後退した

実際には、選挙中のアメリカ株市場の値動きを見れば、ドナルド・トランプ氏勝利の期待が高まった時点で大きく株価は上昇した。その後すぐにバイデン氏優勢に状況は変わったが、この間株式市場は総じて底堅く推移した。

事前の世論調査では民主党優位のバイアスがあったがそれを覆して、トランプ大統領がフロリダなどの接戦州で票を伸ばしたことで、「トリプルブルーへの懸念」が低下したことが株高要因になったとみられる。

トランプ氏、バイデン氏いずれが大統領になっても、コロナ後の経済回復を後押しする政策継続が予想されるが、これにあわせて党派的な思惑で極端な政策が導入されやすい。左派の勢力が強まっている民主党政権となれば、その弊害が大きくなるだろう。バイデン氏は、所得再分配を強化してキャピタルゲインを含めた大規模な増税を伴う拡張的な財政政策を掲げている。そして、民主党の有力議員はGAFAなどの成長企業への規制強化に言及している。