中国河南省の国有石炭大手、永城煤電控股集団(永煤集団)が発行した超短期社債が、発行体として最高ランクの「AAA」の格付けを得ていたにもかかわらず、実質的にデフォルトした事件で、同社と債権者が厳しい交渉を経て債務の再編に合意した(訳注:詳しい経緯は『中国の石炭大手、格付け「AAA」の社債デフォルト』を参照)。

問題の社債「20永煤SCP003」の引き受け主幹事を務めた中国光大銀行が11月24日夜に発表した公告によれば、債務再編の骨子は永煤集団が社債の元本10億元(約158億円)の半額を直ちに債権者に支払い、残り半額の償還期限を270日延長するというもの。延長期間も以前と同率の金利が維持され、新たな期限に元本と利息を一括返済する。

この合意により、永煤集団が発行した償還期限前の社債150億元(約2373億円)および親会社である河南能源化工集団の社債115億元(約1819億円)が、契約書のクロスデフォルト条項に抵触して前倒し返済を迫られる最悪のシナリオは回避された(訳注:クロスデフォルトは、ある債務者の1つの債務がデフォルトした場合にそのほかの債務もデフォルトしたとみなされること)。

債券市場に憂慮すべき連鎖反応

11月10日に生じた20永煤SCP003のデフォルトは、債権市場の関係者にとって寝耳に水であり、大きな衝撃とともに憂慮すべき連鎖反応を引き起こした。中国各地の石炭関連企業や、資金繰りの悪化がささやかれている地方の国有企業の多くが、社債の新規発行のキャンセルを迫られたり、発行済み社債の取引価格が急落したりしている。

永煤集団は20永煤SCP003の債務再編には何とか成功したものの、本当の危機のヤマ場はまだこれからだ。同社は2020年末までにさらに5本の超短期社債が償還期限を迎える。仮にこれらの債務を20永煤SCP003と同条件で再編できたとしても、元本総額の半分の25億元(約396億円)を至急工面しなければならない。

本記事は「財新」の提供記事です

今回の事件に対して河南省政府の対応が後手に回ったことから、債券市場では同省の国有企業に対する信用が大きく毀損した。

ある投資ファンドでは、河南省政府傘下の国有企業は社債発行や銀行借り入れのハードルが高まり、資金調達コストが少なくとも200ベーシスポイント(2%)上昇すると予想している。

(財新記者:王娟娟、呉紅毓然)
※原文の配信は11月24日

著者:財新 Biz&Tech