コロナ禍の拡大、深刻化で再び日本中に暗雲が漂い始めている。GoTo政策の見直しを巡るドタバタ、飲食店への営業時短要請、病床の逼迫化など、国民は再び春の第一波のときのような不安な状況に追いやられている。

リーダーシップを発揮できない政府や自治体に翻弄される日々が続く中、教育現場はある問題に頭を悩ませている。学校生活に欠かせない修学旅行である。春は突然の一斉休校で授業はもちろん、学校行事も大きな影響を受け、多くの小中学校では児童、生徒たちが心待ちにしていた修学旅行が延期、中止となった。

それから半年。再び、コロナ感染が拡大し、過去最悪規模の広がりを見せている。とても集団での宿泊を伴う旅行を実施できる環境ではない。都内の私立学校の関係者がこう嘆く。

「毎年3月に中学生の修学旅行を実施してきましたが、今年はコロナで延期にしました。秋以降の実施を検討してきましたが、第3波の到来で様子見が続いています。いったい、どうなることやら」

文科省から修学旅行への「お願い」

修学旅行の実施について調査したNHKの報道(10月9日)によると、全国各地の約2万1000校のうち、「実施」を決めたのが60%、「検討中」は17%、「中止」は15%だった。実施を決めた学校の大半は行き先や時期の変更などで対応している状況が浮かび上がった。

そうした中、10月2日に文部科学省が各都道府県の教育現場に事務連絡を行った。「修学旅行等の実施に向けた配慮をお願いするものです。」というタイトルで、そこにはこんな“お願い”が記されている。

<今年度未実施の学校におかれては、かねてよりお願いしているとおり、修学旅行等の教育的意義や児童生徒の心情等を考慮し、当面の対応として修学旅行等の実施を取りやめる場合も、中止ではなく延期扱いとしたり、既に取りやめた場合においても、改めて実施することを検討するなどの配慮をお願いします>

この事務連絡の直前、9月25日付では「修学旅行等におけるGoToトラベル事業の活用等について」という事務連絡も出している。修学旅行の実施、GoTo活用を促しているかのようだ。