新型コロナウイルスという「ブラックスワン」(訳注:過去の経験からは想定できないリスク)の出現にもかかわらず、2020年の中国の資本市場は予想を超える活況を呈した。

世界4大会計事務所の1つであるKPMGのレポートによれば、2020年に香港証券取引所で新規株式公開(IPO)を実施した企業の資金調達総額は503億ドル(約5兆2257億円)、上海証券取引所は同499億ドル(約5兆1841億円)、深圳証券取引所は同185億ドル(約1兆9220億円)に達した。

その結果、世界の証券取引所のIPO資金調達額ランキングで香港が第2位、上海が第3位、深圳が第5位と、いずれもトップ5にランクインした。なお第1位はアメリカのナスダックの535億ドル(約5兆5581億円)、第4位はニューヨーク証券取引所の322億ドル(約3兆3453億円)だった。

「世界の資本市場は新型コロナの流行に加えて政治、社会、経済などさまざまな不確実性の影響を受けた。にもかかわらず、IPOマーケットは2020年を通じて強靱さを示した」。KPMG中国のパートナーを務める劉国賢氏は、そうコメントした。

個別企業でもトップ3を中国勢が独占

KPMGによれば、香港証券取引所の2020年のIPO件数は140件に上り、資金調達総額は前年比24%増加する見通しだ。香港市場の株価は2020年初から乱高下を繰り返してきたが、そんななかでもIPOが増加した背景には、アメリカの証券市場に上場している中国企業が香港市場に重複上場するケースが相次いだことがある。

上海および深圳に目を転じると、両取引所の2020年のIPO件数は合計383件に達し、資金調達総額は前年比82%増加する見通し。なかでも上海証券取引所のハイテク企業向け新市場である「科創板」は、両取引所の資金調達総額の47%を占め、上海市場が世界3位に躍進する原動力となった。

本記事は「財新」の提供記事です

個別の銘柄で見ても、2020年は世界のIPO資金調達額のトップ3を中国勢が独占した。

第1位は半導体受託製造(ファウンドリ)大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)で、上海証券取引所の科創板に上場して75億ドル(約7792億円)を調達。第2位は電子商取引(EC)大手の京東集団(JDドットコム)で、香港証券取引所への重複上場で45億ドル(約4675億円)を調達。第3位は北京と上海を結ぶ高速鉄道を運営する京滬高速鉄路で、上海証券取引所で44億ドル(約4571億円)を調達した。

(財新記者:覃潔)
※原文の配信は2020年12月16日

著者:財新 Biz&Tech