思い起こせば、感染が拡大する直前の今年2月頃までは「24時間営業問題」といわれるくらい、その是非について議論されていましたが、新型コロナウイルス騒ぎですっかり話題から消えました。4月以降、アルバイト先の飲食店が営業自粛になり、生活費を稼ぐことがままならなくなった学生などが、コンビニの求人に飛びつくようにして応募しているのです。

ローソンが今年5月、東京都墨田区の新店開業で求人募集を行ったときの応募数は、なんと340人。募集予定数は20人程度だったため、倍率は実に17倍にも及びます。既存店を含めた自社の求人サイトを通じた応募総数は、4月は前年同月比で約3倍、5月以降も4〜7割増という高い水準で推移しているとのこと。セブンやファミマも状況は同じで、8月は両社とも求人応募数が前年同月比で約2倍に膨らんでいるのです。

今年10月の有効求人倍率をみるとコンビニ業界は1.38倍。昨年同時期の2.54倍から大きく低下しています。働きたい人ひとりあたりにいくつの仕事があるかを示すこの指標からも、確かにコンビニ業界の慢性的な人出不足が解消されつつあるように見えます。コロナ第3波によって、飲食店などの閉店ラッシュが進むことになれば、仕事を求めてコンビニに人が集まるという状況がさらに強まるでしょう。コンビニ各社が、年末年始を休まず営業するという強気の決断をできた背景もそこにあります。

全体的な数字は改善だが局所的に問題は残る

ただ、こうしたデータは、あくまでも全体的な概観を示すものです。言ってみれば大手コンビニ3社の本部サイドからみた景色です。

そもそも過疎地域では、構造的な採用難に喘ぎ続けています。繁華街にある店舗は、コロナ禍によって都心に通うリスクが生じたことから採用に大苦戦しています。外国人留学生にも頼りづらい状況で、特に深夜のシフトを埋める人材が枯渇しがちです。

人が集まる地域集まらない地域、人が集まる時間帯集まらない時間帯といった“格差”は、採用環境がある程度改善されたとしても消えずに残っています。いまだ埋まらないシフトは日本全国のいたるところに存在するわけです。一店舗一店舗を経営するFCオーナーには、人によってまったく違う景色が見えているはず。