企業消滅に伴う人員減は、これまで述べた数字から26万人(=1企業あたり人員13.8人×減少した企業数1.9万社)程度と推測されるので、存続した企業においても、約38万人の人員が削減されたことになる。

上記64万人という数字は、経済全体の失業者数増(2020年11月で、対前年比44万人増)の1.45倍程度だ。これは、64万人のなかには、失業者だけでなく、休業者や非労働力化した人が含まれていることを示している。

他方で、雇われ続けている人の1カ月あたり従業員報酬は27.2万円であり、昨年に比べて0.3%しか減少していない(報酬は給与と賞与の合計)。

1人1カ月あたりの役員報酬は43.4万円。前年の45.3万円に比べて4.3%減少している。

これは年収にすれば520万円だ。しかも1社あたり2.1人という役員はおそらく同一世帯の人だと考えられるので、家計全体としては年収約1040万円ということになり、一般の勤労者世帯収入よりかなり高い。

つまり、零細企業であっても、そして従業員であっても役員であっても、会社が存続している限りは、生活水準を大きく切り下げるような事態にはなっていないと考えられる。

したがって、会社を存続させるための政策が重要であることがわかる。

それは主として金融措置だ。零細企業は社債等の資金調達手段を持っていないために、十分な資金が確保できない可能性がある。不十分な額の給付を与えるよりは、十分な額の政策金融が必要だ。

十分な額の政策金融が必要

以上で見たのは零細企業全般であるが、その中で特に大きな打撃を受けている部門がある。

前回の記事では宿泊業について詳しく論じた。同様の事態が、飲食サービス業、生活サービス業、娯楽業でも生じている。