2021年4月から、70歳までの就業機会確保が努力義務化されることになり、「70歳定年時代」も近づきつつあります。60代前半だけでなく、60代後半や、場合によっては70代でも勤務する機会がこれから増えることでしょう。

そうした時代の流れの中で「まだまだ働かなければいけないのか」と考える人もいる一方で、「長く働けるなら働きたい」「働き続けられるように何か資格を取得したい」と考える人もいると思います。今回は、資格取得によるスキルアップを支援する制度として活用できる、雇用保険の「教育訓練給付制度」についてお話ししましょう。

国が資格取得費用の20%を支給してくれる

会社員として勤務していると、雇用保険の被保険者になり、厚生年金保険料や健康保険料より低い金額ではあるものの、毎月の給与から雇用保険料が控除されていることでしょう。雇用保険に加入していれば、離職後、失業している際に、失業給付を受けられることがありますが、雇用保険制度の給付は失業に対する給付だけではありません。

働く人、あるいはこれから働きたい人が自ら主体的に職業に関する教育訓練を受ける場合に、それを支援するための「教育訓練給付制度」があります。

この教育訓練給付制度により、資格取得を目的とした、厚生労働大臣の指定する講座を受講、修了した場合は、受講費用の一部が支給されることになっています。教育訓練給付金には4種類あります。①一般教育訓練給付金、②特定一般教育訓練給付金、③専門実践教育訓練給付金、④教育訓練支援給付金で、それぞれ受給できる要件や給付金額が異なっています。

まず、一般教育訓練給付金は最もポピュラーなもので、在職中(雇用保険の被保険者)の場合、原則として、指定講座の受講開始日時点で雇用保険加入期間が継続して3年以上(初回の受給の場合は1年以上)あれば支給されます。また、離職して被保険者でなくても、離職前に当該雇用保険加入期間があり、離職して1年以内の受講開始であれば対象となります。

実際に一般教育訓練給付金の対象となる費用は入学金と受講料などで、その費用の20%が給付金として支給されることとなります。つまり20万円の講座を受講した場合、4万円の給付金が支給されます。ただし、給付金の上限は10万円となりますので、10万円を超えて給付金は支給されず、給付金として計算される額が4000円を超えない場合は給付金が支給されません。また、受講期間が1年を超える場合は、1年を超える部分の受講料は対象になりません。

給付金の申請は、教育訓練修了(受講修了)から1カ月以内にハローワークで行うことになります。一般教育訓練給付金は最もポピュラーとしましたが、その対象として指定されている講座が1万講座を超え、非常に多いからです。教育訓練給付制度の中で最も利用できる機会の多い給付金制度といえます。