その結果、多くの炎上参加者は、1〜3回という少数であった。イラッとして言及したのであろう。その一方で、ごく一部の人(3%)は、50回以上投稿していたのである。この回答結果について、グラフにしたものが図1だ。 

図1では、左から順にその投稿回数が多かった人を並べており、縦軸は最大投稿回数を、横軸はサンプルの中の割合を示している。例えば、炎上参加者の10%くらいの人は、炎上1件に対して最大10回以上投稿したことがあるということを示している。

これを見ると、一部50回以上投稿しているような人もいるものの、ほとんどが1回、2回などの投稿となっていることがわかる。気をつけていただきたいのは、これはあくまで「ごく少数の書き込んでいる人の中での分布」ということだ。実際には、書き込み回数0回の人が大量に存在する。

結局、ごくごく一部の大量に書き込んでいる人の意見が、あたかも社会の意見であるかのようにネット炎上では見えてしまっているのだ。

マスメディアが炎上を拡散する

ただし、これをもって「炎上は些末な出来事」と考えるのは早計である。参加している人の数は少なくとも、炎上を知らない人はたった8%であり、10人に9人以上は炎上を知っていることが、先述の2014年調査からわかっている。そして、このようなごく少数の人の批判や誹謗中傷が世間に広く認知される要因の1つに、メディアの存在がある。

炎上のメカニズムを簡単に説明すると、最初SNS上で批判的な拡散が起こる。火種の発生だ。もちろんそこで拡散されていくが、多くの場合SNS上のシェアだけでは広がりは限定的である。しかしそれがネットメディアで取り上げられ、さらにマスメディアで取り上げられると、非常に大きな炎上となっていく。

実は、炎上とはネットの現象ではあるが、マスメディアが最も強い拡散機能を持っていることがわかっている。帝京大学准教授の吉野ヒロ子氏による分析の結果、炎上を知る経路として最も多かったのはテレビのバラエティ番組(58.8%)だったのだ。一方、ツイッターは23.2%にとどまっていた。

つまり、炎上とはネット上の現象にもかかわらず、実際にはマスメディアが最も広く拡散させて、炎上に参加するような一部の「極端な人」に情報を届けているということがいえる。さらに、マスメディアは、炎上したことを取り上げてより厳しく追及する役割も果たしている。