事業の選択と集中の結果、売上高は縮小しているが、営業利益は2018年10〜12月期の976億円に対して2020年10〜12月期は1302億円に上向いている。梅田氏は「来年度(2022年3月期)も低収益事業に対してしっかり手を打つ」として、テレビ事業や車載機器事業を念頭にポートフォリオ改革を継続する姿勢を強調する。

業績回復のもう1つの要因は、主力の家電事業や車載事業などが堅調なことだ。新型コロナ影響もあり、5つある事業部門は2020年4〜9月期まで売り上げの前年割れを続けてきたが、2020年10〜12月期はアプライアンス(家電事業)とオートモーティブ(車載事業)など3部門が前期比増収に転じた。

テスラ向け車載電池は通期黒字に

家電事業は、日本や中国で高単価の洗濯機や冷蔵庫など大型家電が売れており、「(パナソニックが)強みとする高い付加価値の製品が受け入れられている」(梅田氏)という。

また、独自技術「ナノイー」を搭載した空気清浄機などの空調製品の売り上げも増加した。売り上げ増に伴い、アプライアンス事業の10〜12月期の営業利益率は6.9%と、前年同期の4.3%から改善した。

一時減産を強いられていた自動車業界の生産が急激に回復し、車載機器の売り上げも増えた。2020年7〜9月期に黒字化したテスラ向けの円筒形車載電池も、10〜12月期には「2ケタの億円で黒字化し、通期でも黒字が見込める」(梅田氏)とした。

テスラ向けの車載電池は、津賀一宏社長が「テスラとともに成長することが基本中の基本」として数千億円規模の多額投資を続けた肝煎り事業だった。ところが、テスラ側の生産が計画通りにいかず、車載電池事業は赤字が続いた。中期戦略では、「高成長事業」から収益性改善を目指す「再挑戦事業」に格下げされていた。

ただ、車載電池事業は「2021年度(2022年3月期)以降は黒字になるかどうかといった議論はなくなる」(梅田氏)というまでに事業が安定しつつある。パナソニックは2022年に持ち株会社化するにあたり、成長事業を見直し、車載電池を含むエナジー事業を再挑戦事業から成長を見込む基幹事業へ格上げした。