年明けからの感染爆発により、新型コロナウイルス感染症で自宅療養者が急増。厚生労働省によれば1月16日時点でその数は一時3万人を超えた。2月9日現在も東京都では3000人近くのコロナ患者が自宅で過ごしている。

新型コロナウイルス感染症は急変して自宅で亡くなってしまうケースもあるだけに、自宅療養や自宅待機をしている人は、家で不安な時間を過ごすことになる。

自宅療養者に対する支援は十分?

「今のシステムは、こうした人たちに対するフォローアップが十分にできていないように思える。自宅で療養している人たちに何らかの症状が出たときに、すぐに相談できるシステム、つまり医療機関の“救急外来”に相当するものを備えないと」

こう訴えるのは、内科医でわだ内科クリニック院長の和田眞紀夫さんだ。

同クリニックは昨年夏から発熱外来でコロナ疑いの患者を診ている。あわせて東京都から認定されたPCR検査(行政検査)の実施医療機関として、保健所や、検査を実施していない近隣の医療機関からの検査オーダーを受けている。

こうした中で見えてきたのが、冒頭の発言にある自宅療養問題だ。きっかけとなったのが1カ月ほど前にあった出来事だという。

「1月中旬のこと。1人の女性が当院を受診されました」と和田さんは振り返る。

女性は38.5℃を超える発熱やせき、下痢などの症状を訴えたため、和田さんは防護服を着て診察をした後、PCR検査を実施。この日は解熱剤と下痢止めなどを処方したうえで、「今後の流れ」について説明し、帰宅させた。

この今後の流れというのは、「翌日にクリニックから結果を伝える電話が入ること」「陽性だった場合、保健所から連絡が入ること」「体調がよければ自宅療養となるが、何らかの理由で自宅での療養が難しければ、ホテル療養の希望を出すこと」「入院の必要があれば保健所が手はずを整えるので、その指示に従うこと」といったもので、検査を受けた人には必ず伝えている。

翌日。検査会社から送られてきた女性の検査結果は「陽性」。和田さんは陽性者が出たことを知らせる「発生届」を保健所にファックスで送付し、女性にもその旨を電話で伝えた。