3月8日に放送されたアメリカの著名なテレビ番組司会者、オプラ・ウィンフリー氏のインタビュー番組内で、サセックス公爵夫人メーガン妃がイギリス王室内での暮らしを暴露しました。

とくに王室メンバーによる人種差別を訴えた波紋は、世界のメディアをいまだに賑わしています。イギリス王室は「王室は人種差別を行っていない」と公式声明を出し、ウイリアム王子も同様の声明を出しています。

このインタビューを受け、人種差別に敏感なアメリカではメーガン妃同情論が高まる一方で、イギリスでは批判と同情論に二分されています。

アメリカのCNNの看板番組を背負うラリー・キング氏の後継者も務めたイギリスの「グッド・モーニング・ブリテン」の司会者、ピアーズ・モーガン氏は番組内でメーガン妃の告白を「絶対許せない」と批判しました。が、メーガン妃からテレビ局への直接の苦情もあり、辞任しました。

一方、3月13日に発行された仏週刊紙、シャルリー・エブドの表紙に「なぜメーガンはバッキンガムを去ったのか」とのタイトルで地面に倒れ、女王の膝で首を押さえつけられたメーガン妃が「もう息ができなかったから!」という風刺画が掲載されました。

アメリカのミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが警官の膝で首を押さえつけられ、「息ができない」と訴えて死亡した事件を想起させるものであり、イギリスのメディアが「このジョークは笑えない」と強く批判しています。

典型的な「異文化不適応」に見える

現時点で人種差別があったかの真偽は公式に確認されていませんが、私個人は、可能性が十分ありうると考えています。

イギリスには歴史的にアフリカ系人種を蔑視してきた過去があり、私の友人のロンドン大学教授が「ロンドンの東側には野蛮な黒人がいるから気をつけろ」と言っているのを聞いたこともあります。そうした中で、王室で差別が起きないわけがないと思うからです。人種差別は許されるものではなく、もしその事実が明らかになれば糾弾されてしかるべきでしょう。

一方で、メーガン妃の言動について、フランスのビジネススクールで長年、グローバルビジネス、異文化理解などの教鞭をとってきた私としては、自分の経験も含め、メーガン妃の告白は典型的な「異文化不適応」にも見えます。無論、王室が存在しないアメリカの一般人が伝統に支えられたイギリス王室に深く入っていくのはかなり特殊な状況ですが、メーガン妃の言動は、異文化に適応できていない人によくある言動と似ています。