ホンダを代表するコンパクトカー「フィット」の新車販売台数が、意外に伸びていない。2020年2月にフルモデルチェンジして発売された現行の4代目は、発売1ヵ月後の3月に1万4845台を販売し、同月の新車販売台数ランキングで「ヤリス」に競り勝ち2位を獲得。ところが、翌4月にはライバルのヤリスに首位の座を奪われ、それから徐々に差が広がり、2020年通年(1月〜12月)のランキングでは、15万1766台でヤリスが1位だったのに対し、フィットは9万8210台で4位に終わる。

また、2021年に入ると、2020年12月に新型が発売されたばかりの日産「ノート」にも抜かれる。2月の新車販売台数ランキングでは2万559台でヤリスが1位、ノートも発売直後ながら7246台で7位に入るが、フィットは5782台で12位とトップ10圏外にまで後退している。

フィットは、かつて新車販売台数でトップを連発し、「コンパクトカーの王者」とまで呼ばれた実績を持つモデルだが、現行モデルにはそんな勢いがみられない。なぜ現行モデルは苦戦しているのか、その理由を検証してみる。

歴代フィットの特徴や販売台数

初代フィットは、2001年に誕生した。燃料タンクを車体後部ではなく中央に設置するホンダ独自の「センタータンクレイアウト」を初採用したモデルで、広い室内空間と23km/L(10・15モード)という当時の世界最高水準である低燃費などが好評を博し、いきなり大きなセールスを記録する。発売翌年の2002年には、トヨタ「カローラ」が33年間守り続けた新車販売台数1位の座を奪うほどの大ヒットだった。

写真は、コンパクトステーションワゴンのホンダ「シャトル」(写真:ホンダ)

2007年に発売された2代目も、翌2008年に販売台数1位を記録する。2010年のマイナーチェンジ時にはハイブリッドモデルも追加、2011年にはステーションワゴンの「フィットシャトル(現シャトル)」も発売されるなど、ラインナップも拡大。ホンダを代表する売れ筋シリーズとして、堂々たる地位を確立した。