リクルートでは、ただの飲み会なのに「この会食のゴールは何?」と上司にツメられ、何をするにも「ゴール」「ターゲット」「評価指標」「KPI」「トレース」が基本で、会議資料の1ページ目には「今日のゴール」2ページ目には「アジェンダ」、判断に必要なデータをきっちり揃えることや時間管理までもが求められます。

例えば政治イシューの少子化問題や男女共同参画社会のように、何年もかけて予算も使っているのにゴールにたどり着かない、なんてことは許されません。「それは戦略の見立てが間違ってるね」と言われて瞬殺です。またゴールを達成するためなら、私は間違えてしまったとトップが詫びたり、アジェンダを変えたり、早々に撤退を表明することは悪いことではないと捉えられるところも、永田町にはないリクルートの「当たり前」です。

「子育てしながら政治家なんてできるのか」

――子育てと議員活動の両立は大変なのでは?

「小さな子どもがいるのに選挙だなんて」。選挙活動中に幾度となく投げかけられた言葉は、議員になってからも相変わらずです。「子育てしながら政治家なんてできるのか」「保育園のお迎えを理由に夜の会合を欠席するなんてけしからん」「神聖な国会に子どもを連れて来るなんて非常識だ」……次女が待機児童だったため、事務所の一角に遊具を置いてキッズスペースにしていたことに対しても、電話やメール、SNSなどで約1500件ものご意見をいただきました。

他の議員はいったいどうやって育児しながら政治活動をしているのだろう? 調べてみると、未就学児を育てる母親は、衆参両議院合わせて20人いらっしゃることがわかりました。ただただアドバイスがほしくて、ただただ仲間がほしくて、党派関係なく1人ひとりを訪ね歩いたことが、2018年3月「超党派ママパパ議員連盟」(会長:野田聖子衆議院議員 副会長:高木美智代衆議院議員、蓮舫参議院議員 幹事長:橋本聖子参議院議員)立ち上げにつながりました。

当初16名のメンバーで始まった議連も今や80名を超す大所帯。ママパパのみならずジジババやプレママパパにいたるまで、気づけば国会議員全体の1割以上、女性に限れば3割以上が参加する巨大議連になりました。

議連では、子ども子育て政策の推進や、子育て世代の課題を自身の問題として考えられる議員を増やすための活動に取り組んでいます。今までに、乳児用液体ミルク解禁に向けた活動や、フリーランスで働く女性の育休産休保障に関する勉強会、児童虐待防止対策に係る大臣申し入れや、女性が選挙に立候補する際の課題可視化など、活動は多岐にわたります。

今後は、日本の政策機能を崩壊させないための「ブラック霞が関の働き方改革」、日本で最も多い0歳0カ月0日0時間児の児童虐待死をなくすための「内密出産」問題にも、リクルートで学んだ「圧倒的当事者意識」を持って取り組んでいきます。

リクルートのタグラインは「まだ、ここにない出会い」。私も「まだ、ここにない政策」を永田町に供給していきたい。それには何より現場の声を集めるのが第一! その意味では、リクルートでの時間に加え、記者時代の経験が、今の私を創っているのかもしれません。

著者:大西 康之