中国の新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車(シャオペン)は4月8日、武漢市経済技術開発区管理委員会との間で投資契約に調印し、同市の経済技術開発区に新たな自動車工場を建設することを明らかにした。小鵬汽車は、武漢工場建設のタイムスケジュールを示していない。

武漢市の政府広報によれば、同市政府が技術開発区に約73万3700平方メートルの土地を確保し、小鵬汽車が自動車とパワートレイン(駆動装置)の工場を建設する。同工場では、年間10万台の生産が可能だという。

小鵬汽車の新工場設立の背景には、武漢市が同地区において世界の自動車関連企業の一大拠点となる「世界カー・バレー」構想を打ち出していることがある。同地区では、新エネルギー自動車と人工知能や高度な通信技術を用いた安全性と効率性の高い自動運転を可能とする[ICV(インテリジェントコネクテッドビークル)]を誘致の対象とする。

(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、プラグインハイブリッド車[PHV]、燃料電池車[FCV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)。

武漢市政府は2025年までに2、3社の新エネルギー車企業の誘致を目指している。

生産能力を不断に増強する

小鵬汽車は目下生産能力を増強中だ。現時点で、小鵬汽車の第1号モデルのSUV「G3」は海馬汽車によるOEM生産で、契約期間は2017年から4年間とされている。また、第2号モデルの高級セダン「P7」は小鵬汽車の広東省肇慶市にある自社工場で製造中だ。なお、海馬汽車の工場のOEMの生産能力は年産15万台、肇慶市の工場の生産能力は年産10万台だという。

小鵬汽車は2021年3月に行った通期決算の説明会上で、肇慶市の工場に対して生産能力拡大のための投資を続け、同工場の月産能力を1万台に引き上げることを明らかにしている。

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一方で、2020年9月28日には、小鵬汽車は第2工場を広州市の経済技術開発区内に建設することも発表している。当時の投資契約によると、広州市の国有企業がEV工場を建設し、2022年12月から小鵬汽車に7年間貸し出すことになっている。

なお、同契約では、賃借期間満了後には小鵬汽車が原価で広州市のEV工場を購入する条件になっている。広州市政府からは、株式投資や優遇金利適用などの援助もある。

広州市の工場はすでに施工が当初計画より前倒しで開始しており、2022年7〜9月には稼働開始とのことだ。

小鵬汽車は4月1日に、2021年の1〜3月期の出荷台数が1万3340台となり、直前の2020年10〜12月期の出荷実績を上回ったことも発表した。同社は4月14日には第3号モデルとなる小型セダン「P5」の発表を行い、今年の10〜12月期にはデリバリーを開始する予定だという。

(財新記者:鄭麗純)
※原文の配信は4月9日

著者:財新 Biz&Tech