「うなずき」などは、機械的にならないように気をつけましょう。すぐバレます。

「繰り返し」は、相手の言うことをほぼそのままリピートするだけなので簡単ですが、これもやりすぎないように。

「言い換え」や「要約」は、聞いたままではダメなので大変ですが、失敗を恐れず短く表現するのがコツです。「つまりは、○○ということですか?」と相手に返すことで、「いや、そこまでじゃないんだけど」とまた相手の考えや説明が進みます。

ただし「要は○○なんだ!」と断定しないこと。たとえ正解でも相手は嫌がります。自分の考えを、違う言葉で言い切られるのは気分が悪いですし、自分の考えとズレていたら、こいつわかってない!となってしまいます。

あくまで「相手の意見の確認」であって「自分の意見の表明」ではないことをお忘れなく。

「きく」にはhearとlistenとaskがある

聞く(hear)と聴く(listen)のほかに、訊く(ask)があるといわれます。

しかし、訊く、は訊問(=尋問)の訊なので、askというよりquestionやinterrogateでしょう。

権威者が系統だった組織的な質問を行うことで、相手から強制的に返答を引き出すこと、が尋問です。そんな一方的な聞き方では相手の「納得」は、なかなか得られないでしょう。

尋問なんてことはしない!と、みな言うかもしれません。

でも、尋問のテクニックでもある「誘導尋問」ならどうでしょうか。

法律業務上、誘導尋問とは、回答する範囲を狭める質問のことをいいます(一般的に捉えられている「誘導尋問」は、後述する「誤導尋問」のこと)。「はい」「いいえ」で答えられる質問がそうです。

答える者の自由な思考を阻害し歪める可能性があるので、争いのある場面では決して使われません。「あなたは赤信号なのに車が交差点に入ってくるのを見たのですね」という尋問はアウトです。「異議あり!誘導尋問ですっ」となります。

でも、正当な誘導尋問も存在します。

たとえばファーストフード店での「店内でお召し上がりですか」は誘導尋問ですが、正当です。「店内かテイクアウトか」しか選択肢がないからです。逆に「どちらでお召し上がりですか」と聞かれたら、きっとお客さまは困るでしょう。

「今日は何を召し上がりますか」が普通の質問で、「ランチセットはいかがですか」が(まあ正当な)誘導尋問です。

ちなみに、セットを頼んでもいないのに「お飲み物は何になさいますか」ときたら、これは「誤導尋問」となります。飲み物を注文するかどうかはわからないのに、注文することを前提とした質問になっているからです。
傾聴ってなかなか難しいのです。(参考:西野法律事務所のHP「雑記帳〜誘導尋問と誤導尋問」)