相手の話をちゃんと聴くうえでの最大の障害は実は、自分自身の「しゃべりたさ」です。「相手の話が長すぎたらちゃんと切る」ことは重要ですが、やはりそれより問題は「相手の話をさえぎりすぎ」な自分でしょう。

つい口をはさみたくなる気持ちは、よ〜くわかります。

「あ、そこ違う」「それも誤解だなぁ」「私見が混ざってる」「おいおい、そんな結論じゃないだろう」

でもせめて1回は、全部言いたいことを、言わせてあげましょう。

それが相手の伝える練習になるからです。そして自分が、自身で思うほどには優秀ではないからです。

どんな相手の話にも、よく聴くと新しい発見があります。

なのに自分の知っていることや意見を、しゃべりたい、しゃべりたいと身構えていては、そんな発見もままなりません。

うぬぼれが「しゃべりたい病」につながる

相手が話すことは、まずは材料だと思えばいいのです。

全部が整合していなくても構いません。8割すでに知っている話でも仕方ありません。でも、どこかに新しい、面白い話がきっと眠っています。本人すら気づかなくて、重要思考的には強調されていなくて、わかりづらいかもしれないけれど。

そんな面白い話など相手がするわけない、といううぬぼれが「しゃべりたい」病につながるのです。そんなに自分って優秀でしょうか。多分、違います。相手の話に潜む、ダイジなことや面白い差を「発掘」するのが、聴くことだと割り切りましょう。

自分が割って入ることで、その発言をよくしてあげよう、考え方を正してあげようなどと欲張らないでください。全部がアクティブ・リスニングでなくてもいいのです。

ダイジなところだけ、びしっと口をはさみましょう。

「ん?そこは○○なんだ。不思議だねえ」「重みをもうちょっと考えてみようよ」

聴くことは自分の考えを示すことではありません。相手が考える手助けです。それをお忘れなきよう。

著者:三谷 宏治