菅政権発足後、初の国政選挙となった「4.25トリプル選挙」で自民党が全敗し、コロナ禍での政局混迷に拍車をかけている。

菅義偉首相の命運がかかる解散・総選挙の東京五輪前断行も絶望的との見方が広がり、与党内から「菅政権では選挙を戦えない」(閣僚経験者)との不安も漏れてくる。

菅首相は投開票から一夜明けた26日午前、官邸で「国民の審判を謙虚に受け止め、さらに分析をしたうえで、正すべき点はしっかり正していきたい」と述べ、平静を装った。ただ、自民党内には「逆風は政権を失った2009年に匹敵する。自民はもう崖っぷち」(若手)との厳しい見方も出ている。

唯一勝ち目のあった広島でも敗北

一方、全勝した立憲民主など主要野党は、次期衆院選での自民打倒を目指して勢いづく。政府が25日に発令した3度目の緊急事態宣言も「後手にまわった」との批判が強く、大型連休を前に、菅首相の政局運営は一段と厳しさを増しそうだ。 

次期衆院選の前哨戦となった参院広島選挙区再選挙と参院長野選挙区、衆院北海道2区の両補欠選挙は25日に投開票された。その結果、自民党は与野党対決となった広島と長野で敗北し、候補者擁立を見送った北海道も含めて全敗となった。

トリプル選挙で自民党が「唯一勝ち目のある戦い」(選対幹部)としていたのが広島再選挙だった。しかし、野党統一候補となったフリーアナウンサーの宮口治子氏(45)=立憲、国民、社民推薦=が、自民新人で経済産業省出身の西田英範氏(39)=公明推薦=との事実上の一騎打ちを、3万票以上の差で制した。